近代国家の概念においても...部族は存続し、更新されてゆく!(5)
2021年07月09日付 al-Quds al-Arabi 紙
■近代国家の概念においても諸部族は存続し、更新されてゆく!
【イラク:ワーイル・イサーム】
2011年リビア革命の一連の出来事の間トリポリで筆者が一緒に仕事をしていた同僚のリビア人記者、マフムード・アブー・ジャナーフ氏はこう言う。「ハフタル将軍がリビア東部で頼りにしているこれらの部族は、オスマン帝国の存在に歴史的な敵意を抱いている。そしてトルコがGNAを守るためリビアに介入してから、この敵意は増幅した。これらの部族に支援を受けるハフタル将軍の軍隊がトリポリにやって来たとき紛争は激化し、攻撃によって彼ら(諸部族)からは何千人もの死傷者が出た。これが彼らに対し、トルコの存在への復讐心を増幅させ、歴史的誇りを目覚めさせ、数日前にトルコ国旗への攻撃を実施させたのである。彼らはその後(国民統一政府、GNUの)アブドゥルハミード・ダバイバ現首相が通るのを妨害するため、議会へ続く道路にトルコ国旗を敷いた。彼らはトリポリ政府、そしてトルコ政府の中のGNA支持者らに敵意を持っている。特にダバイバ首相に対しては、彼が住民の多くがトルコ系によって占められていることが知られ、カッザーフィー政権が打倒された後、トリポリおよびその政府に支配的な役割を果たしているミスラータを地盤としていることから、なおさら敵意を持っている」。
様々な国家の羅針盤を見る限り、国家間および国内の様々な紛争を引き起こす上での部族抗争ないしは精神的・宗教的部族的抗争の役割は、アラブ諸国に限って観察されるわけではないようだ。というのも、直近のほとんどの紛争や旧世界での緊張状態は、そうした形態の紛争に端を発しているのである。その例としてはパキスタンとインドに始まり、セルビアとボスニア、フツ族とツチ族(ルワンダ)、南スーダンとスーダン、そしてティグライ族とアムハラ族の間の古い紛争が再燃しているエチオピアなどが挙げられよう。
(パレスチナ人作家、『クドス・アラビー』ファミリー)
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( 翻訳者:吉岡珠実 )
( 記事ID:51332 )