非公式経済:ボアズィチ大、エコロジカル・フットプリントでトルコの非公式経済活動の環境への影響を測定
2021年06月20日付 その他 紙


非公式経済の諸活動は、経済だけではなく環境にもまた害をもたらしている。非公式経済の環境的な影響を研究しているボアズィチ大学の教員であるメフタプ・ウシュク氏は小規模な各種企業が、非公式経済の諸活動にまでも時間とともに戻すことのできない様々な破壊に道を開いたと語っている。様々な調査において、違法なルートで行われた廃棄物の輸入についてもまた言及したウシュク氏は、「トルコに違法なルートで入ってきた数多くのゴミ、そして廃棄物が存在していますが、これらは原材料としてでさえ使用がされないものです。そして循環経済には入らないのです。」と付け加えている。

ボアズィチ大学の国際商業学部の助手博士であるメフタプ・ウシュク氏と修士論文の指導をおこなった博士助手のジハト・キョクサル氏は、1961-2014年の間に非公式経済の環境への様々な影響に関しての調査をおこなった。必要とされる協力的な各種の諸政策が改善されなかったために調整のシステムが非公式な事業を後押ししてしまったと述べるウシュク氏は、東地中海大学銀行とファイナンス部門の教員であるサーリフ・カトゥルジュオール氏の貢献のもとでおこなった各種作業においても注目に値する様々な提案をもたらしている。ウシュク氏の調査はまた、トルコにとってエコロジカルフットプリントデータを用いて総合的アプローチとともにおこなわれる最初の作業であるという特徴を持っている。

■「トルコにおいて非公式経済はOECDの平均を大きく上回る」

トルコにおいて、非公式経済はいまだに増加していると語るメフタプ・ウシュク氏は、どのような活動が非公式経済として数えることができるのかと、いう問い関して以下のように説明した。:「非公式経済は定義の問題においてさえ、異なる様々なアプローチが存在しています。しかしながら一般的には、法的であれまた法的でなかれ、責任のある各組織の記録に残らない全ての経済的な活動に対して、そして購買の各種の操作に対して「非公式」といえます。これらの活動の規模を計測するためにもまた、様々な異なる方法が用いられています。わたしたちは、MIMICという方法によって予測をおこないながらたどり着いた様々な結果を用いました。このデータをうけてトルコにおいて非公式経済は、速度が減少傾向であったとしても、今だ増加傾向にあるということが言えます。過去の約50年間において、国内総生産(GSYH)に対しての割合では約10%から40%台の間で変化をしながら増加をしているトレンドを有しています。この割合が増加をしているその他の国々と比較する限りでは普通かのようですが、しかしながら、同時期において約20~15パーセントの間で減少をするOECDの平均によればいまだに非常に高いです。」

■エコロジカル・フットプリント測定により非公式経済を追跡

博士助手メフタプ・ウシュク氏そして博士助手ジハト・キョクサル氏は、非公式経済の環境的な諸影響を理解するために、同じ年におけるエコロジカル・フットプリントの測定を用いた。エコロジカル・フットプリントは、様々なアクティビティとともに破壊される自然のバランスを再び構築するために必要な自然資源の数々を計測し、さらに自然資源が再生されるバランスを守ることができたのかどうかを評価するスケールである。

ウシュク氏は、様々な調査においてなぜこの基準を選んだのかということを以下のように伝えた。「エコロジカル・フットプリントは、各個人、都市、更には各地域、そして各国と惑星のために計算が行われます。グローバルフットプリント・ネットワークと、地域の諸機関の合同事業のおかげで、信頼できる各国ごとのデータに達することが可能となっています。環境汚染の規模を二酸化炭素そしてその他の有害なガスの振動量といったオルタナティブなスケールによっても計測することは勿論のこと可能です。私たちはこの事業によって、ただ空中、水更には、地上の汚染もしくは騒音が原因となった汚染に集中をする代わりに更に包括的な見方によって私たちが自然に与えた悪影響について理解しようとしたため、エコロジカル・フットプリントのスケールを選んだのです。」

■「トルコに対して惑星1.5個分の必要性がある」

ウシュク氏は、トルコのエコロジカル・フットプリント報告書についても評価をおこなった。「トルコのエコロジカルフットプリント報告書は残念ながら非常に悪い内容です。世界自然保護基金がトルコとグローバル・フット・プリントネットワークと合同で制作したレポートによれば、トルコの生産と消費活動をまかなうためには、惑星が1.5個以上存在をする必要があります。つまりは、私たちの国内のバイオロジーのキャパシティを遥かに超えてしまっている自然資源を消費しているのです。これはいつも、このようであったというわけではありませんでした。1989年まで、国内の資源量を下回っていた私たちのエコロジカル・フットプリント報告書は、自然資源のキャパシティを減らすこと、更には生産と消費における自然資源の消費を増加させた結果このようになってしまったのです。」

私たちが非公式経済といった場合には、さらにも小さなスケールの諸活動が脳裏に浮かんだとしても、メフタプ・ウシュク氏は、非常に小さな規模の諸活動によって、エコロジカル・フットプリントは時には非常に高いものになりえるということを指摘している。「自然を汚染する諸活動の際にできる廃棄物の最初のネガティブな諸影響はそこまで大きなものでないとしても、次第にドミノの一片のように高くなって、破壊的な影響をもたらします。例えば、東黒海地方にあるデヴレカニ渓谷のキュレダー国立公園内に存在している一角は、そこの各郡において活動をしている、小規模そして中規模の企業そして各個人による非公式の廃棄物によって、数年以内にどのように汚染されたのかということを個人的に調査をおこないました。残念ながら、似たような破壊はアナトリアそして世界の様々な場所で起こっているのですし、これらの諸影響は数学的な集計もしくは私たちが想定しているものをはるかに上回る結果に到達しているのです。」

■「国際経済の暗部」

各種の調査において、環境汚染に対して厳しい予防策が講じられている国々のいくつかのセクターでは更に緩い対策をとっている国々へ移行してコストを削っているということが言及されている。この状況を、「国際経済の闇の部分」として解釈を行っているウシュク氏は、「国際的な各種の市場においてライバルからアドバンテージを獲得するために、各企業は生産労働力がさらに安く、またその株式資本がさらに高いリターンで用いられていて、その株式資本に対しての法的な規制がさらに少なくなっている国々へと移行をしているのです。このやり方は、ホスト国にとって、国外の様々な投資が増加して経済的な成長を短期間で加速させるという意味になるために、とりわけ低-平均的な収入グループにおける発展中の国によって好まれているのです。」と語った。


■輸出されている廃棄物の大部分は、循環経済に入らない有害な廃棄物

ウシュク氏は、言葉を以下のように続けた。「例えば、廃棄物そしてゴミのリサイクルに適応しているのであれば、「循環経済」の繋がりとして生産において、また生の物質であったとしても使用は可能ですが、トルコそして数多くのアジア諸国に対してとりわけ違法なルートによって入りこんだ数多くの廃棄物そしてごみは、残念ながらこの規模にとどまりません。あらゆる規制にもかかわらず有害な廃棄物の輸出は問題となりえています。私が知っている限りでも、廃棄物輸入の割合が50%減少されること、さらには長期的に完全にゼロとする諸計画の間においては、しかしながら近年においてトルコは、EUから最も廃棄物を輸入する国となってしまいました。私たちのすぐ後にくるインドを約5倍の廃棄物を得てしまっているのです。一番多いところでは、鉄分を含む廃棄物そして紙材廃棄物が輸入されているのです。」

■「自然が自身を更新することを許可する政策への必要性がある」

各種の調査において言及がなされている重要なその他の問題は、非公式経済のアクティビティのような経済的な発展さらには、商業的な自由が増えるにつれて、エコロジカル・フットプリントのレベルも増大してしまうということです。各発展途上国にとって、経済的な発展そして商業的な自由は諦めることができないと考えられた時には、作られる必要のある重要なバランスが問題となると強調したメフタプ・ウシュク氏は、「経済を成長させるために、経済的な発展そして商業的な自由を肯定するものとともに、各種のファクターの環境へのネガティブな諸影響を、同じ割合でつなげる解決策が私たちには必要となります。まずは、どのような成長の必要があるのかということを問わなければなりません。これらの疑問は、ただ発展途上諸国のものではないのであり、先進諸国においても第一の問題となるものです。発展途上国が商業の自由を用いながら、有害な廃棄物生産を異なる国々へと移行していて近い環境を守っているのだとしても、環境変化は中期的に全世界に影響を与えることになります。商業の自由そして経済的な成長の悪影響をコントロールしながらバランスが取れてそして長期的な成長を担保するために自然が新たに自身を更新するのを許すような各種の政策が私たちには必要です。環境汚染税は、この各種の政策に対しての素晴らしい例の一つです。しかしながら、このような適用は透明性をもって扱う諸組織によって執り行われなければならないので、そもそも非公式経済は存在しないのがよいのです。」


■「法律を出すこともしくは国際的な合意にサインをすることは十分ではありません」

経済的なアクティビティが続く中、環境にもたらされた害悪を査定することができるために、政府の諸組織、政府そして政策製作者たちそして市民団体諸組織が一同に会して、生産者そして消費者をコーディネートする必要があると述べたウシュク氏は、「ただ法律を出すこと、もしくは国際的な合意に調印をすることは十分ではありません。この各種の法律が出て、クラスそしてグループを判別することなく自発的な形で適用されるようにすること、そして適用されない場合に疎外させる罰則に、透明性のある監査そして監視メカニズムの数々を機能させる必要があります。」と語っている。


国際的な規模で更に法的な枠組みの各種の政策のためにも国際諸組織に対して大きな役割がもたらされたと語るメフタプ・ウシュク氏は、「しかしながら現在のところ存在をしている法的な各種のルールによれば、非常に多くの国際組織の権限は非常に狭いものとなっています。京都もしくはパリ議定書のような各種の条約とともに、一つの枠組みへともたらされようと努力がなされていたとしても、これは全く十分ではありません。例えば、近年において増加をしている諸国間の廃棄貿易が自由な市場の諸規則に則して、もしくは新たな諸改正によって行われる必要があるのかという問題において共通の見方は存在していません。長期的に考えることは贅沢と考えられるほどに、低収入の諸国の改正がないままに環境への配慮を示すことを待つことはナイーブなものなのです。気候変動は私たち全員の問題です。これ以上に遅くなってしまわないように国連のような諸組織に対しても更に影響力のある国際法の条件のためにさらにアクティブな権限が獲得されなければなりません。」と付け加えている。

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:51408 )