トルコで学び祖国アフガニスタンに帰った若者語る
2021年08月23日付 Cumhuriyet 紙

「ターリバーンは私たちにとって死を意味する。こうした心持ちで生きていけない。」と述べたサミーミーさんは、自由なアフガニスタンの懐かしさにつきアタテュルクを思い浮かべながら語った。ホサイニーさんはというと、「ターリバーンが来る前、私たち女性は働いていた。将来の計画もあった。私たちの命が危険になったため、ここ10日間家から出ていない。毎日涙を流している。」と述べた。

NATOとアメリカによる20年続いた占領後、撤兵によってテロ組織ターリバーンは、アフガニスタンを再び支配し始めた。厳格なイスラム法を適用し、特に女性と子供の悪夢となったターリバーンのために、国を後にし、移住の道を選ぶ何十万人ものアフガニスタン人は、イランとトルコを筆頭に特に近隣諸国に移った。アフガニスタンから出られなかった人々は、家で拘留状態である。トルコで学びカーブルで暮らしているサヒー・サミーミーとウズラ・ホサイニーは、「私たちは、家で不安に待っている。どうしてよいかわからない。将来ははっきりしない。ターリバーンは私たちにとって死を意味する。こうした心持ちで生きていけない。アフガニスタン内部でアタテュルクのようなリーダーが現れ強い政府が作られれば、私たちはアフガニスタンで生きていられる。」と述べた。

サヒー・サミーミー(30歳)さんは、両親とともにカーブルで暮らしている。エルジエス大学の建築工学を卒業し、クルクラーレリ大学で修士を続け、2018年に家族のもとに戻ったサミーミーさんは、8年間トルコで暮らした。アフガニスタンでは国連世界食糧プログラムで技師、ベフスード研究所では講師として勤務していた。彼の暮らしはターリバーンとともに変わった。サミーミーさんは、誰一人としてターリバーンがアフガニスタンを再び支配するとは予測していなかったと強調し、「皆が今ショックを受け、家で不安に待っている。私たちは恐れている。どこにも行くことができない。外に出ることもできない。どうしていいかわからない。ターリバーンは、テロ組織である。彼らは、まだ支配権を得ていない。将来は不明瞭である。全ての場所が閉鎖されている。テレビも放送されていない。パスポートも発行されない。パキスタンは、元々ターリバーンを支持している。イランでは仕事がない。家族とともにどこかに逃げられるか。不可能である。」 と述べた。

■好ましく見えるメッセージ

サミーミーさんは、ターリバーンが国際社会に好ましく見えるよう穏健なメッセージを発信しているが、国際社会に承認されれば、態度が厳しいものになると述べて、次のように話した。

「ターリバーンは、私たちにとって死を意味する。何年間もモスク、病院、学校、私たちに爆弾を投じた。全ての家庭で一人の犠牲者が出た。両親は、20年前に5年間ターリバーン政権下で暮らしていた。虐殺を行っていたターリバーンが、今もやってきて私たちを統治するのか。両親のような人々は、ターリバーンと再びどのように暮らすことができるのか。ターリバーンは、宗教を利用している。彼らの性向は、イスラムと関係がない。彼らは、この1週間だけで、私たちの暮らしを破壊 した。私たちは何があったか知っている。ターリバーンのような心持ちで生きてはいけない。私たちは生きることができない。彼らは、アフガニスタンの人々にこれを認めさせることはできない。ターリバーンは、新聞記者や活動家に対して殺害リストを作成している。ターリバーンから最も女性、シーア派、公務員が影響を受けた。私たちの村でターリバーンに反対した5人が殺された。政府所有のものがあれば何であれ、略奪し、あるいは、焼いて破壊する。彼らが望む車を手に入れ、飲食してお金は払わない。誰が何か言うことができるか。数人の女性を奪って、『もはやお前は私の妻だ』と言うほど恥知らずである。」

■テロ組織

アフガニスタンでの戦争は、国際戦争であると述べたサミーミーさんは、「NATOとアメリカに対して中国、イラン、ロシアは、政治的な利害の名のもとにテロ組織であるターリバーンを支援した。これはとても悲しいことである。政府は裏切った。トップに立つ政治家達が国を売った。諸国はどれほどの難民を受け入れられるか。アフガニスタンにとって、解決は、特に、中国、ロシア、パキスタンがターリバーンとアフガニスタンにおいてどのような政府を作るかによる。しかし、現在まで設けられた政府は常に他国に結びついていたため、将来について希望がない。私たちは、民主的な政府が作られることを望んでいる。若者は、ターリバーンに対する戦いを選んでいる。国際的な諸々の国が、何かをするのを期待している。アフガニスタン内部でアタテュルクの様な人物がいて、強力な政府が作られてのみ、私たちは自国で暮らしていくことができる。」

■女性達をさらっていく

ウズラ・ホサイニーさんも目下、甥や嫁達を含む18人でカーブルにある一軒の家に暮らしている。ガーズィー大学国際関係学科を卒業したホサイニーさんは、八年間トルコに滞在した。2016年に学校を終了した後アフガニスタンに戻った。国家公務員として勤めるホサイニーさんは、ターリバーンが女性達に向けた圧力のために退職せざるを得なくなった。彼女は、ターリバーンの、特に女性と子供への影響力を訴え、「ターリバーンが来る前、私たち女性は働いていた。将来の計画もあった。しかし今日以降女性が決して容易に職場や学校に行けるとは思わない。特に女性達の人生は危険である。以前も女性達をさらっていった、同じ状況が生まれるのを恐れている。何十万人もの女性が、共通の問いを抱えている。『自分達の将来はどうなるのか』。私たちの命が危険になったため、ここ10日間家から出ていない。毎日涙を流している。」と述べた。

■この状態でどうやって暮らしていける

ホサイニーさんは、今もこうした状態に陥ったのが信じられないと訴え、「あるメディアで働く某かをターリバーンは連行し、今も行方がわからない。ターリバーンからは特にハザラ人が悪い影響を受けるだろう。状況はさらに悪化するだろう。何年も学び、努力してきた。私は今、ターリバーンが強要することになったブルカをどうして身につけよう。ブルカを着用しても、仕事に行くことが出来るのか。この状態でどうやって暮らしていける。ここから出て行きたい。家族全員を連れ出せなくても、四人の妹たちをまずここから救い出したい。どうかトルコの先生達、そこにいる関係者達、私の声を聞いて欲しい。手を差し伸べてここから救い出して欲しい。」と語った。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:51522 )