エルドアン訪米に向けアル=ジャジーラ論評「大統領はピンチに陥っている」
2021年09月19日付 Cumhuriyet 紙

トルコ公正発展党(AKP)のレジェップ・タイイプ・エルドアン大統領のニューヨーク訪問を前に、アル=ジャジーラ紙が注目すべき分析をおこなった。

緊張の高まっているアンカラとワシントンの関係に進展があった。トルコ公正発展党(AKP)のレジェップ・タイイプ・エルドアン大統領が、ニューヨークで開催される国連総会に出席するのを前に、カタールを拠点とするメディア組織アル=ジャジーラが注目すべき分析をおこなった。

アル=ジャジーラの記事は、「バイデン大統領との意見不一致の中でエルドアン大統領が米訪問」という見出しを用い、「トルコは、エルドアン大統領の国連総会出席により、長年不和が繰り返されてきた米国との関係が改善されることを期待している。エルドアン大統領は、アフガニスタンにおける問題の進展をはかるために強硬な姿勢でニューヨークを訪れるのだと理解している」と述べている。

■関係に注目、「リセットしうる」

Sözcü紙が伝える分析では、今年の初め、米国のアントニー・ブリンケン国務長官候補(当時)は、トルコがロシアからS-400ミサイルを購入したことに対して、アンカラを「いわゆるパートナーのようなもの」と述べていた。そして今月に入ってからは、アフガニスタンからの米国撤退に伴うタリバンの政権奪取をうけて、ブリケン氏が「トルコはNATOの重要な同盟国であり、この地域で非常に価値のあるパートナーだとコメントしていたこと」にも指摘がなされた。

アル=ジャジーラ紙は、ワシントンの態度の軟化は、エルドアン大統領に両国関係回復への希望をもたらしたと指摘し、「エルドアン大統領のニューヨーク訪問は国連総会のためだが、バイデン大統領との会談により米トルコ関係がリセットされる可能性がある。バイデン大統領は1月の就任から3か月後にエルドアン大統領に会っている」という記事が掲載された。


■「またとない好機」とコメント

報道機関は、当事者同士が和平に向けてオリーブの枝を差し伸べあうことができるのではないかとし、「米国側からのオリーブの枝になりうるものは、S-400ミサイル問題の解決のためにアンカラ側から提案された合同委員会の設立である可能性がある。以前、米国側はこれを受け入れないと宣言していた。こうした中、トルコがカブール空港を稼働させ、外交官や協力者への安全を確保することは、バイデン大統領から譲歩を得るまたとない好機になる」とも報じている。

■「イメージ再構築を期待している」

アル=ジャジーラ紙は、最近のトルコはロシアと緊密な関係を築き上げているが、そうは言っても、「ロシアはトルコの伝統的なライバルであり続ける。シリア、リビア、ナゴルノ・カラバフといった国々では両国は反対の立場にある」と述べた。

アル=ジャジーラ紙の特派員は、「トルコでは2023年に総選挙が予定されているが、この日付はもっと早まるかもしれない。大統領は、トルコ経済、新型コロナウイルスの感染拡大、そしてアフガニスタンからの大量の難民の問題でピンチに陥っている。エルドアン大統領はトルコ国内で、あらためて世界的リーダーというイメージを取り戻したいと考えており、バイデン大統領からの支援がどんなものであれ、エルドアン大統領を後押しするだろう」と語った。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:51598 )