シリア:イラン製石油のレバノン輸送がアサド政権にもたらす経済的・政治的利益とは?(1)
2021年09月19日付 その他 - al-Souria.net 紙


■イラン製石油がシリアを通過してレバノンに送られることによって、アサド政権が得る2つのメリット

【スーリーヤ・ネット】

数週間にわたってレバノンに吹き荒れる燃料危機により、アサド政権の支配下にある地域はレバノンにとっての生命線へと変化した。同国へのイラン製石油の輸送が、同地域を介して実施されるためである。

レバノンのヒズブッラーは先週木曜日、シリアから出発し、イラン製ディーゼルオイルを運ぶ初の油送船団がレバノンの領土に到着したと発表した。この貨物はイランの船団によってまずバーニヤース港で荷降ろされ、その後非公式の越境ポイントを経由しつつ陸路輸送されていた。

アサド政権も同様に燃料危機に苦しんでいることを念頭に置けば、同政権の支配下にある地域が燃料の「トランジット」ラインへと変化することは、同政権に対し経済的ないしは政治的な2つの利益をもたらすこととなるだろう。

経済的利益

アサド政権にとっての第一の利益とは、「レバノンに輸送するため」との名目でシリア国内の各港に到着するイラン製石油の一部を取得することによる利益である。

イランは直近の期間、自国やアサド政権に対する米国の制裁に違反するかたちで、シリアに対し原油の供給を実施してきた。しかし、イスラエルはそれを輸送する各船に対する攻撃を試みてきた。

米国のウォール・ストリート・ジャーナル紙が昨年3月に掲載したレポートによると、イスラエルは過去に、シリアの海岸にイラン製石油を届けるために航行していた12隻以上のイラン船に対する攻撃を実施した。

一方、「タイムズ・オブ・イスラエル」紙が2日前に報じたところによると、イスラエル海軍の元司令官であるエリ・シャルビット氏は「イスラエル政府はレバノンへのイラン製石油の輸送を停止させるつもりはない」と述べ、レバノンへの輸送という名目でシリアの海岸に到達する可能性があるイラン船を見逃す意向を示した。

(2)に進む

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:メディア翻訳アラビア語班 )
( 記事ID:51624 )