リラ防衛、エルドアンの最後のプラン
2021年11月19日付 Cumhuriyet 紙
経済学者のエヴリン・デブリム・ゼリュト氏は中央銀行の金利決定後の、政府のドル金利に関する新たな計画について記述した。
トルコ共和国中央銀行(TCMB)の通貨政策委員会(PPK)は政策金利を100ベーシスポイント下げ、15%に落とした。決定では利下げは12月も続くと伝えられた。
金利決定の後、経済学者のエヴリン・デブリム・ゼリュト氏はAKPには為替レートを下げ、海外からの資金流入を確保するための計画があると発言した。
ゼリュト氏は11月20〜22日に政府はドルを下げるため行動を起こすと話した。
◾️11月20日の計画とは?
ゼリュト氏は以下のように述べた。
「AKPにはドルに関して出口戦略があります。何故なら為替レート上昇について彼らは大変に追い詰められた状況だからです。では、彼らが何を行うかを皆さんにお教えしましょう。彼らの持つ武器とは何か、どの武器をいつ使うのか?AKPの11月20日の対ドル計画と呼べるのはこれでしょう。またAKPがドルに対して出せる最後のカード…政権を維持するためにドル為替レートとインフレを下げなければなりません。AKPの最初の動きは何かというと金利を下げることでしたが、それで解決できたかというと違います。ではAKPは何を実行するのでしょう、代替案は何でしょうか?5つの選択肢があります。
1-輸出の増加。しかし輸入も増加しました。輸入増の時は有権者のもとにお金が入りません。この選択肢は意味がないでしょう。
2-構造的改革の実行…しかしこれは不可能です。やれば、5年前に結果は得られません。
3-資産流入によってドルを抑制すること。トルコはグレーリストに入ったため、それほど膨大な資金流入はもはや不可能です。
4-カタールやアゼルバイジャンからの資金を受けるのもありえません。そのゲートも閉じられました。カタールはやることをやり、アゼルバイジャンも同様です…。
◾️5つ目の方策
では5つ目の方策とは何でしょうか?
5つ目の方策こそ11月20日にAKPが試みる最後の作戦で、最後のカードです。
2018年に戻りましょう。何があったかというと、アンドリュー・ブランソン牧師が釈放されたのです。釈放された時点で1ドル7.21リラでしたが、釈放から3ヶ月で5.11リラにまでドル安が進みました。ブランソン牧師は8ヶ月で解放されましたが、9月10月11月までドル安が進み、5.11リラまで低下したのです。大変急激な低下です。
今度は11月末に、彼らは同じことをします。経済的にブランソン牧師の影響は利益を生み出したことから、私はオスマン・カヴァラ氏が釈放されるだろうと皆さんにお伝えしましょう。11月20日から11月30日の間の日にこれを期待してください、そういうニュースが入るでしょう。
ここでの目的はこうです。カヴァラ氏はアメリカには無関係ですがヨーロッパに関係があります。EUはトルコの貿易相手で、アメリカとヨーロッパからの資金流入を引き込むためにカヴァラ氏というカードを切るでしょう。ではカヴァラ氏というカードによってドルはどれほど下がるかというと、少し下がるでしょう。しかしそれほど大幅に下がることはないでしょう。トルコでも構造的な状況のためにインフレが上がっています。またアメリカの連邦準備制度(FED)は資産取得を減らす決定を取りました。2022年前半に金利を引き上げはじめると、為替レートに影響は多大にあるでしょう。
したがって、私はカヴァラ氏釈放は経済における問題ある流れを正すことはなく、ただ月末に向けての傷の手当てになるだけだと考えています。さてAKPはこのカードを出すでしょうか?私個人の考えとしては、カヴァラ氏のカードは有用ではないでしょう。」
◾️カヴァラ氏の裁判は11月26日
オスマン・カヴァラ氏の裁判は2021年11月26日に行われる。ゼリュト氏はドル為替レートにおける上昇を止めるために政府がカヴァラ氏を釈放するだろうと主張した。
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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:51890 )