英誌インタビュー、CHPクルチダルオール党首「政権奪取へ」
2021年12月05日付 Cumhuriyet 紙
フィナンシャル・タイムズ紙はトルコの最新概況を論議した包括的な分析を行った。同紙インタビューに答えた共和人民党(CHP)ケマル・クルチダルオール党首は、「危機的状況だ。皆為す術なく逃げ道を探している」と話した。
記録的な対外貨トルコリラ下落や景気の悪化、生活難により危機が深まるなか、英フィナンシャル・タイムズ紙は包括的な分析を出した。
CHPケマル・クルチダルオール党首のインタビュー文には「野党党首はエルドアンに挑戦するために並外れた同盟の形成に助力している」というタイトルがつけられている。FT(フィナンシャル・タイムズ紙)の分析では、「クルチダルオールのCHPならびに各ライバル政党は、大統領打倒のために根深い違いを差し置いて一致団結した」というコメントが並んだ。
フィナンシャル・タイムズ紙は「国が経済危機でもがく一方、二桁インフレやトルコリラ下落により、クルチダルオールは野党政党と形成した団結がエルドアンや彼の側に立つ者たちの票よりも多いことに気がついた。この連立は、2023年または早期実施が取り沙汰される選挙で大統領を打倒できると信じている」と講評した。
■クルチダルオール「彼らは死にかけだという考えを受け入れた」
同紙相手に話した72歳のクルチダルオールは、「私たちの政府は国を統治する能力を著しく失った。社会の大部分は、この人たちが死にかけているという考えを受け入れた」と述べた。
フィナンシャル・タイムズ紙はクルチダルオールについて「一見すると国家主義者、クルド人、左派、世俗派、保守派の候補者ではない。しかし20年間エルドアンや公正発展党(AKP)に対し成功を収められていないクルチダルオールは、この到底ありえないグループの裏に立つプランナーとして登場した」とコメントした。
「エルドアンはイデオロギーの断層線を利用し同盟を崩そうとした」と話すFTは「それでもグループ化は、トルコの議会制度への復活の呼びかけの裏で団結し、経済動向に注目しながら今日まで嵌り合った」という表現を用いた。
FTは「停滞した経済はエルドアンを打ち倒すのか?」との質問に「20%を超えるインフレが今年対ドルで50%下がったトルコリラの暴落と合わさり、AKPの人気を揺るがした。アンケートによれば、党の得票率は2011年の選挙でほぼ50%に達したピークから今は30%台で推移している」とコメントした。
■「人々は出口を模索している」
市民がエルドアンの経済政策に関する判断を下すべく、何度も早期選挙の呼びかけをしているクルチダルオールは「失業率は高い、生活難だ、人々は生活できない。人々は出口を模索している。もちろん出口は政治を通過している」と述べた。
次第に権威化するエルドアンが選挙に負ければ黙ってはいないだろうとアナリストらが忠告したとする分析では、エクレム・イマムオールの勝利後選挙結果が取り消されたイスタンブル市長選を引き合いに出したと記された。FTは「クルチダルオールは、こういった懸念をなくしつつある」とコメントした。
CHP党首はインタビューで、エルドアンがイスタンブル市長選に異議を唱えたことに対する世論の反応を指摘しつつ、大統領が敗北した場合は平和的に政権から退くほかないと話した。クルチダルオールは、「イスタンブルは一つのテストだった。[エルドアンは]政権を手放したくないだろうが彼には去ってもらう」という表現を用いた。
クルチダルオールはインタビューで「エルドアン支持者が野党の勝利を恐れる必要はない」とし、「私たちは恨みや怒り、復讐で国を統治しない」と述べた。
■「危機的状況」
FTはまた、CHP党首は大統領候補の見込みについては特に声明を出していないと記した。同紙に答えたクルチダルオールは、今のところ野党は国の経済問題に集中すべきだとし、次の表現を用いた。
「危機的状況だ。皆為す術なく逃げ道を探している。」
「CHP党首は近頃、今までにない勇敢な行動をしたことで悦に入った」とするFTは、「クルチダルオールは金曜日トルコ統計機構(TÜİK)を訪れ、エルドアン大統領の指示によりインフレデータを操作したと非難した。アポイントメントが却下された後、鍵がかかっている扉の外に立ち、『正しいことをする』よう厳しく警告した」と伝えた。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:安井 悠 )
( 記事ID:51958 )