エルドアンは政権ではなく、トルコを大安売りしている!
2021年12月09日付 Cumhuriyet 紙
ムスタファ・バルバイ
経済問題の専門家たちをはじめとする誰もが経済の行方について熟考しようとしている。誰もが、と言える。なぜなら我々は全員の暮らしが直接影響される時期にいるからだ。
大統領周辺の癒着経済に取り込まれた幸福な少数派を除いて、誰も近い未来について前向きなことを言うことができない。
まず以下のことを強調しよう:トルコ経済は沈まない、沈めない…。何が起こるだろうか?搾取され、不当に譲渡され、財産が人手に渡るのだ!
我々は現在これを経験しているのだ。
大規模な自然資源がないにもかかわらず、トルコの地勢と人的資源は経済を持続させている。
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トルコリラの価値を落とすエルドアンの政治が、無知や、誤った見通し、もしくは騙されたことに起因しているはずはない。現状行われている経済政策が非常に意図的で、その結果は予測可能な形で計画されていることを確認する必要がある。
これらの結果とは何であろうか?
トルコリラの価値の喪失はトルコの価値の下落を意味する。決して誤解されたくはない;価値が下がるということは、この国の国民たちにとってではなく、外国人たちにとってである。
外国人たちにとって、トルコリラの価値が下がると何が起こるだろうか?
外国人たちは望んだ物を、望んだ価格で買うことができる。現在の状況が続くと、トルコにおける金の卵を産む雌鶏すべてがブリキの価格まで下がるだろう。
誰が買うのだろうか?
ポケットにドルがある人々だ!
国民は、エルドアン政権の短命化を望んでいるが、エルドアンはトルコの価値を下げている。
こうして価値をはるかに下回る価格で売られることになる資産について、エルドアンは以下のように言えるように準備している:
ほら、トルコに対する信頼が高まり、投資家たちが列をなしている!
長い間議題になっている1,280億ドルの問題も、以下の噂の中心を成している:
エルドアンたちは管理された状態で海外に金を持ち出し、それに頼り、選挙に向けてその一部をトルコへ持ってくるだろう、「ほら、我々に対する信頼が高まるほど世界からドルが降る」と言うだろう。
通貨価値がこれほど変わりやすい環境において、最も強力な銀行の名前が知られている:
退蔵銀行だ!
例えば、アンカラでは中古車市場において誰もが一台を売って三台を車庫にしまいこむ。「価格が高騰するだろう」という途方もない期待があるのだ。似たような状況が別のセクターでも注意を引いている。
市場はまるで以下のような言いぐさを生んだかのようだ:
商品を倉庫にしまえ、売るな、金を稼げ!
エルドアンが書いた経済本においてはこれらの人はテロリストである!
この二日間でまた彼らとの抗争が始まった。
この意味では大統領府は沢山の敵を見つける必要がある。退蔵者たちはこの必要性を満たしているのだろうか?
満たしていないが、何もないよりは良い!
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経済と政治はチキンレースをしている。バフチェリの「経済には新しい物語が必要だ」という言葉も、経済が上手く運営されていないことを示す多くの兆候のうちの一つである。
この状況にはもはや解説者や反対者は必要ない。
この状況には選択肢を示していく必要がある。
経済の意味において、選択肢は以下のようであってはならない:
我々は自由市場経済を公正発展党よりも上手く運営する!
投票する有権者は、トルコを略奪したこの構造の代わりに何が据えられるのかを何よりも先に理解しなくてはならない。
皆から殴られている人に、「来い、お前がどうやって殴られているかを説明しよう」と言うのは無意味である!(校閲者註:政府対応への批判ばかりをしている野党を皮肉り、自由主義経済に代わる経済体制の提案を求めている)
( 翻訳者:田原紗樹 )
( 記事ID:51974 )