エルドアン、CHPクルチダルオール発言に沈黙のAKPに苦言
2021年12月11日付 Cumhuriyet 紙
CHPのクルチダルオール党首が予算案審議での演説で[性的表現とされる]握った左手を右手のひらで打つ動作を見せた問題を巡り、エルドアン大統領は同氏が「お咎めなし」となっていることに苛立ちを見せた。エルドアン大統領は、所属するAKPの院内会派役員らに対し「声が聞こえないぞ。こんな会派運営があるか」と話したという。
【セルダ・ギュネイス】最大野党共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首が予算案審議の場での演説で[性的表現とされる]握った左手を右手のひらで打つ動作を見せた問題で、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、与党公正発展党(AKP)がクルチダルオールCHP党首の戒告処分要求を出さなかったことについて、会派運営に対し不快感をあらわにした。エルドアン大統領は、AKP院内会派のイスメト・ユルマズ会長をはじめとする会派役員らに「君らは戒告処分決議を求めていたが、その後はどうした。クルチダルオールは我々を煽り立てている。閣僚を指して嘲っている。それにもかかわらず君らの声が聞こえない。こんな会派運営があるか」と語ったことが分かった。
■国会議長が戒告処分決議を求めた
トルコ大国民議会の本会議で続く2022年度予算案の審議で、クルチダルオールCHP党首が演説中[性的表現とされる]握った左手を右手のひらで打つ動作を見せた問題を巡り、AKPとCHPの議員の間で論争が巻き起こった。AKP所属の国会議員らは、クルチダルオールCHP党首について「ここには女性議員もいる」とし、クルチダルオールCHP党首の戒告処分決議を求めた。AKP所属のムスタファ・シェントプ国会議長は、同問題の追及のため全ての会派の役員を会合に招いていたが、AKP会派によるクルチダルオールCHP党首の戒告処分要求は、CHP会派役員のオズギュル・オゼル議員による答弁で幕切れした。本紙が得た情報によると、シェントプ議長はAKP会派役員と開いた会合で「クルチダルオールCHP党首のしぐさは戒告処分決議に相当する」との意見を出したが、AKPと民族主義者行動党(MHP)の会派役員からの強力な支持は得られなかった。代わりにAKP所属議員は「CHP会派役員による説明を求める」提案を了承した。
■「こんな会派運営があるか」
国会での論争をうけエルドアン大統領は、議事進行が遅れているとしてAKP会派のイスメト・ユルマズ会長ら会派役員に対し怒りをあらわにした。同党会派役員に対しエルドアン大統領は、クルチダルオールCHP党首が演説を通して「AKP会派を身振り手振りで刺激した」と同時に「閣僚を煽り立てた」と語ったという。エルドアン大統領は、会派役員に対し「君らは戒告処分決議を求めているが、会派から声が聞こえない。こんな会派運営があるか」と苦言を呈した。これをうけ、会派役員らはエルドアン大統領に「クルチダルオール党首とCHPが国民の支持を得ないような戦略を講じる」と返答した。
またシェントプ国会議長は、演説中のしぐさを理由としてクルチダルオールCHP党首に「処分を求める」ため本会議での決議を企図したが、本会議に出席するAKP所属議員が戒告処分の発議に必要な数を満たしておらず、これについてAKP会派役員を会合に招いた。エルドアン大統領はこの状況に対しても苛立ちを見せ、会派役員に対し同党所属議員が本会議に参加するために必要な措置をとるよう指示した。
前日の閣議の後エルドアン大統領は、クルチダルオールCHP党首のしぐさを「ばち当たり」と呼び、「一体君らはこんな男にどこまで耐えられるのだ。一国の与党と党に忠誠を誓う人々へこんな悪態をつく最大野党の代表にどこまで我慢できるのだ。2023年までだろうな」と語ったという。
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( 翻訳者:麻生充仁 )
( 記事ID:51990 )