シリア:シリアが安定を実現するために必要な地域的枠組み(5)
2022年01月10日付 その他 - al-Souria.net 紙
■シリアが安定を実現するために必要な地域的枠組みとは?
【アイマン・ディスーキー:スーリーヤ・ネット】
域内統合イニシアチブは「段階的」政策の範疇に組み込まれており、その継続性はシリア政権が見せる対外的な適応や具体的な譲歩の程度に支配されている。そして政権は自身が勝利していると考える限り、そのような行動に出ることはないようである。すると、他の国々はいかなる引き換え条件を欠いたままこれに譲歩する他はない。さらにイランもシリアにおける自国の影響力を脅かすような経路の傍観者であり続けることはないであろう。イランはシリア南部に自国の傘下部隊を妨害のために残し続けるであろうし、これが意味するところは同地が同国とイスラエルの紛争の場として、あるいはイランの存在を望まない域内社会への対抗の場として残り続けるということである。
国家の支配はダルアーに復帰したものの、示されている通りそれは安全や安定をもたらすことはなかった。なぜならそこでは合意が地元の人々を代償として結ばれたからであり、その合意は彼らの要求を汲むことがなかったばかりか、それらを押しつぶし和解を強制することによって通過させられたものだったからである。
その証拠として、ダルアー県は治安やサービスに関連する悪化の状態に置かれている。
実際そこでは暗殺が続いており、シリア系ウェブサイトが報じたところによると、同地では2021年9月から12月26日までに約138回の暗殺の試みが発生した。それに加えて、必要な資源が欠乏するなか、国家諸機関が基本的サービスを提供することができていないうえ、治安機関が参入している汚職や官僚主義に起因するそれらの停滞が存在する。結果的に各種の誓約や計画は紙上のインクに留まり続け、住民らは以前新型コロナウイルスの危機に直面した際にならって、自身らに関連する問題を推進するにあたって地元のイニシアチブに依存する他はないのである。同様に、「公的国家機関」によるナスィーブ通行所の管理の再開や、同県内における政権系セキュリティ・サービスの展開にもかかわらず、麻薬の取引・密輸は引き続き活発である。
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( 翻訳者:メディア翻訳アラビア語班 )
( 記事ID:52158 )