ゲズィ公園裁判、第四回公判開始
2022年02月21日付 Cumhuriyet 紙
最高裁によって判決が覆ったチャルシュ(注)裁判と控訴裁判所によって判決が覆ったゲズィ公園裁判の二つの裁判が統合された後、52人を裁く裁判の第四回公判が開始された。オスマン・カヴァラ釈放の呼びかけを繰り返したタクスィム連帯グループは、発表の中で「空想的な告発よって裁かれようとしている友人達に関する訴えを取り下げるべきである。」と述べた。
ゲズィ公園抗議運動に関して出た無罪判決が覆されたことに続き、オスマン・カヴァラを含む17人を裁く裁判の公判は、イスタンブル第30重犯罪刑事裁判所で再び始まった。チャルシュ・グループのメンバーを含む35人について下された無罪の判決も最高裁によって覆されていた。
最高裁は、無罪判決を覆す判断の中でゲズィ公園裁判とチャルシュ裁判の間に法的つながりがあるとの理由で、二つの裁判の統合を判断する必要があると訴えていた。イスタンブル第13重犯罪裁判所に届けられた書類には二つの裁判の統合を承認すると明記されていた。
二つの裁判は昨年7月30日に統合され、被告人の数は52人に上った。統合の決定後に行われた3回の公判ではオスマン・カヴァラ被告の勾留継続の決定が下されていた。
■第4回公判が開始
イスタンブル第13重犯罪裁判所による、拘束中の1人と逃亡中の8人を含む計52人を裁く裁判の第4回公判が始まった。
公判にはジャン・アタライ、タイフン・カフラマン、アイシェ・ムュジェラ・ヤプジュの三名を含む一部の勾留されていない被告達と弁護士達が参加した。
公判では共和人民党のマフムト・タナル国会議員、オスマン・カヴァラの妻アイシェ・ブーラと数人の領事館関係者が傍聴人として臨席した。拘束中のオスマン・カヴァラは公判に参加しなかった。
公判は点呼から始まった。前回までの複数の公判で意見陳述を行わなかった人びとの意見陳述が続いた。
(中略)
■タクスィム連帯グループの発表
52人が裁かれる裁判を前にタクスィム連帯グループ(注2)は書面による発表を行った。
事実をねじ曲げることを認めないとする発表では、次のように述べている。
「アブドジャン、メフメト、エトヘム、メデニ、ハサン・フェリト、アリ・イスマイル、アフメト、ベルキン、彼らが思い描いたことを汚すのを認めない。私たちは正しいからだ。ゲズィ[運動]は常に正しい。」
「空想的な告発よって裁かれようとしている友人達に関する訴えを取り下げるべきである。」
「まったく具体的な証拠がない中で、1574日間、政治的な虜として勾留され続けているメフメト・オスマン・カヴァラを釈放すべきである。」
■ゲズィ公園裁判
ゲズィ公園抗議運動に関連して、実業家オスマン・カヴァラ、新聞記者ジャン・デュンダル、[建築家]アイシェ・ムュジェラ・ヤプジュ、俳優メフメト・アリ・アラボラを始めとした16名が裁かれる裁判は、2020年2月18日に結審した。
イスタンブル第30重犯罪刑事裁判所は、拘留中のオスマン・カヴァラをも含む9名に無罪判決を下し、アイシェ・プナル・アラボラ、ジャン・デュンダル、ギョクチェ・テュイリュオール、ハンダン・メルテム・アルカン、ハンザーデ・ヒクメト・ゲルミヤンオール、イナンチ・エクメキチ、メフメト・アリ・アラボラの計七人の裁判を分離するよう命じた。検察側は地裁の判決に控訴した後、イスタンブル地域高等裁判所第三法廷は2021年1月22日に9名に対する無罪判決を破棄していた。
■二つの裁判統合
無罪破棄判決の後、イスタンブル第30重犯罪刑事裁判所は、2021年4月28日の公判で[カヴァラらの]裁判とジャン・デュンダル、メフメト・アリ・アラボラ、アイシェ・プナル・アラボラ、ギョクチェ・テュイリュオール、ハンダン・メルテム・アルカン、ハンザーデ・ヒクメト・ゲルミヤンオール、イナンチ・エクメキチの計7名の裁判を統合する判断を下した。このほか、オスマン・カヴァラとCIAの元諮問役であるヘンリー・バーケイ(Henri Barkey)についてイスタンブル第36重犯罪刑事裁判所が審理していた裁判を、上記二つの裁判と統合する判断を下した。
他方、ゲズィ公園抵抗運動に関連して、ベシクタシュのサポーター・グループであるチャルシュのメンバーである35名についてイスタンブル第13重犯罪刑事裁判所は判決を下したが、これを最高裁は破棄した。
この破棄判決の中で、最高裁は、イスタンブル第30重犯罪刑事裁判所が審理したゲズィ公園抵抗運動に関連する裁判と、チャルシュ裁判との間には法的かつ実質上の関連性があることを明らかにし、二つの裁判が統合されること、及び調査の不足が原因で無罪判決が下ったことが、この判決を破棄する原因とみなしていると綴った。
無罪破棄の判決の後、両裁判はイスタンブル第13重犯罪裁判所で統合された。
(注)チャルシュはサッカークラブであるベシクタシュのサポーター達からなる団体の名称である。ゲズィ公園抗議運動と呼べるものは、最初2013年5月27日に始まった。当初はタクスィム広場の再開発に伴い、同広場に隣接するゲズィ公園にある木々を守るため人びとが公園に集まったことで始まった。その後、29日に木々を見張るため公園内にテントを張った人びとを警察が排除し、作業が再開した。これに対してゲズィ公園に様々な人が集い、テントを張り抗議を訴える中で、チャルシュ・グループはこの人びとの動きに賛同し、行動をとった。
(注2)記事掲載の写真では、被告達を支援する人びとが掲げる幕がある。そこには「ゲズィは希望である、希望は裁けない」と書かれている。
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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:52629 )