AKPチェリキ報道官「モントレー条約は実施される」
2022年03月02日付 Hurriyet 紙
公正発展党(AKP)のオメル・チェリキ報道官はロシアとウクライナ間の戦闘に関して、モントルー条約が適用されると述べた。さらにチェリキ報道官は、トルコがこの危機において外交の観点からみて重要な国になるとし、「どんな不当な企みにも、我々は最後まで反対する」と話した。
チェリキ報道官は、AKP党首のレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領と国会議員らの話し合いの後に報道陣に向けて会見を開いた。チェリキ氏は、話し合いには議員が50人参加し、エルドアン大統領はそこでロシアとウクライナの間の戦争に関して様々な意見を述べ、さらに戦争がトルコに与える影響についても検討したと説明した。同報道官はまた大統領がこの戦争について外交的努力を続けているとし、次のように話した。
「大統領は本日2日にも会談を控えている。もちろん現状における世界秩序の縫合、国際法および世界システムを傷つける、こうした縫い合わせをバラバラにする構図が議題となる。我々はウクライナがこのような形で攻撃されることを不当で国際法に反していると考えており、主権国家としてウクライナの主権が標的とされ、またその領土の政治的統一性が標的として狙われていることは間違っていると主張する。」
さらに同報道官は、トルコが欧米諸国ともロシア側とも会話ができる国だとしたうえで、「この危機は我々周辺で絶えず起こってきた。我々は危機の中で生きることや、今回のような危機に対処することには相当な準備ができている国である。トルコがこうした経験の蓄積をもって重要な国であり続けることは明らかだ」と話した。
■「人権がすべて」
チェリキ報道官は、制裁に関して見解が問われたとし、トルコが現在まで原則として国連の制裁に参加してきたと述べた。国によって制裁から受ける影響は異なることに言及し、以下のように続けた。
「影響や反応のメカニズムはそれぞれ違う。したがって我々はこの問題を我々の立場で判断する。ここでは当然いくつかの心理作戦も出てくる。残念ながら偽の情報や偏った見方といった訴えもありうる。もちろん我々は、戦争から逃れて来たウクライナ人たちに門戸を開き、受け入れ、死から逃げて来た人々を受け止めるヨーロッパの方針を大いに評価する。ヨーロッパ、EU諸国がこの姿勢を維持し、ウクライナ人たちを積極的に保護する必要があると我々は考える。しかしここで忘れては ならないのは、人権が全てだということであり、ケーキの一切れ一切れのように人々が分けられることはあってらならないのである。ウクライナの人々にこうした扉が開けられる中、もちろん正しいことだが、一方でギリシャによるシリア人たちを死に至らしめ、ボートに串を刺し、虐げ痛めつけるような対応は未だ続いている。人権を侵害するギリシャの動きが同時進行で現在も続いていることは、誠に恥ずべき状況である。」
同報道官はまた、トルコがどのようにモントルー条約を実施するかということが議題に上がっているとし、「モントルー条約は戦時には必要に応じて実際に適用される。トルコの判断に関わる問題であれば、我々は戦争を深刻化させたり過激化させたりするような行動は一切取らない。」
■「トルコはいつでもヨーロッパの強国だ」
チェリキ報道官は、エルドアン大統領がEU諸国の首脳らに向けて「トルコに戦争が仕掛けられたときにしかトルコを話題にしないのか?」と反発したことに関して、次のように話した。
「今回再確認されたのは、ウクライナ問題に対してヨーロッパ諸国が示した認識は、トルコにとって大いに当てはまるということである。トルコは黒海そして地中海の国家であり、我々には東、西、エーゲの三面がある。しかし同時にトルコは常にヨーロッパの強国でもある。これまで100年にわたりヨーロッパの強固な民主主義がある。我々の対話相手はこのことを正当に評価できていないと何度も繰り返し述べてきた。」
さらにチェリキ報道官は、トルコとNATOとの関係に関する質問に対して次のように述べた。
「フランスをはじめとする一部西側諸国は、トルコのNATO加盟国の資格について議論を始めていた。しかし今日、トルコのいないNATOなどあり得ないことが、より強く認識され直した。トルコはNATOにおける一加盟国というだけではなく、重要な国の一つなのだ。NATOの安全保障システムからトルコを排除すればシステムが崩壊する。トルコは、今に至るまでNATOの安全保障システムの中で、高度な対応力や統率力でもって常に任務を果たしてきた。トルコに適応される各武器輸出制限、武器輸出はおろか一本の釘の輸出禁止措置さえ、NATOの共同安全保障とこれを実行する国々の安全双方に害を与えることになる。」
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( 翻訳者:大谷菜々 )
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