イラク:バルキース・シャラーラと記憶のかばん(9)
2021年11月26日付 al-Quds al-Arabi 紙
バルキース・シャラーラ著『リフアト・チャーディルジー』
■バルキース・シャラーラと記憶のかばん:イラク人の食とリフアト・チャーディルジーの香りについて
【ムハンマド・トゥルキー・ラビーウー】
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社会の伝統から脱却しようとした夫妻は冷蔵庫やオーブン、電子レンジは買わないことにした。リフアトの母親は日が経つとともにバルキースが最も有名なイラク料理「バーミヤー」(*オクラとトマトの煮込み料理)を好まないことに気づき、彼女のために「タプスィー・バティンジャーン」(*イラク料理。なすのトマト煮込み)を作るようになった。同じ文脈で彼女が回想するエピソードとして、1964年に建築家のニザール・アリー・ジャウダットが彼らの家に来たが、彼の頼んだ食事が美味しくなく、バルキースも料理が得意でなかった。そこでニザールはリフアトに、遺産と芸術に寄与し、美味しい食事の提供に取り組む協会の設立を提案したという。これが「バグダード協会」の設立を真剣に考えだすきっかけとなり、この協会はそのほか演劇や東洋・西洋音楽のコンサートも行った。
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( 翻訳者:下宮杏奈 )
( 記事ID:52924 )