■レバノン:教皇とレバノン政府の調和は「少数派」に関するアウンの問題提起よりも深い(1)
【ベイルート:ムニール・ラビーウ】
レバノンはあたかもアイデンティティに関する紛争を再燃させているようだ。係争中のアイデンティティ問題は政治的所属や見解だけでなく、特に、中央銀行と市中銀行に開かれた闘いの影響下では経済・財務会計にも関係している。
中央銀行や市中銀行が犯したあらゆる過ちにもかかわらず、そして中央銀行と市中銀行を訴追する優先権があるにもかかわらず、この紛争は別のところにあるように思われる。すなわち、セクターを掌握しているのは誰なのか、そして、レバノンの今後を握る勝者は誰のものとなるのか、である。
・相対立する主張
相対立する主張が激しさを増している。一方では、アラブらしさを取り戻し、レバノンがアラブに帰属することに献身したい人々がいる。マロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教はこの立場を取り、イランの伸張を前にキリスト教徒とマロン派がアラブらしさを取り戻すことを主張している。同総大司教はエジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領との会談の中で、ヒズブッラーの武器についてはっきりとした口調で語った。それに対し、キリスト教徒が東へ向かうこと、ヒズブッラーとの同盟とその背後にあるイランとの関係から、レバノンのミシェル・アウン大統領の立場もまた、よく知られている。
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( 翻訳者:片居木周平 )
( 記事ID:53031 )