レバノン:教皇とレバノン政府の調和(2)
2022年03月22日付 al-Mudun 紙

■レバノン:教皇とレバノン政府の調和は「少数派」に関するアウンの問題提起よりも深い(2)

【ベイルート:ムニール・ラビーウ】

アウン大統領の教皇訪問は、ラーイー総大司教がエジプトでアズハルのシェイフを訪問したこととの対比で際立つ。また、同大統領は教皇とアフマド・タイイブ師が批准した人類兄弟をめぐる共同文書を遵守することを宣言したことも特異的である。同時に、レバノンと湾岸諸国の関係修復とクウェートのイニシアチブを遵守するという、ラーイー総大司教と政府トップのレバノンとしての立場が連続している。これは、レバノンをめぐるサウジアラビアの外交・救助活動を再活性化するために行ったフランスの明確な努力の結果である。

この枠組みの中で、フランスとサウジアラビア高官に対する諸措置の調整を目的とした新たな会議が開催された一方で、サウジアラビア大使のベイルートへの帰還を望むレバノン側の要求も顕著であった。この文脈においても、複数の情報はワーイル・アブー・ファーウールとメルヘム・リアーシーが高官との会談、選挙・連立問題の調査、サウジアラビアが権利請求に対してどれほどの関心を持っているかの認識、そしてサウジアラビア大使が近々レバノンに帰還することについて質問するために同国に向かって出立したことを指摘した。

・アウンのキリスト教徒

アウン大統領は「素晴らしきレバノンのキリスト教徒」のスローガンのもとバチカンへ赴いた。教会関係の複数の情報筋はこのフレーズに驚嘆した一方で、多くのキリスト教徒の若者が移住している。キリスト教徒自身が創設した諸部門、諸機関は自分の目の前で崩れ去ってしまった。ハダスやラッサ、アークーラー地区でマロン派教会とヒズブッラーをめぐる不動産・地理関連の内紛は止まらない。これらは全てキリスト教徒を脅迫する要素ではなかろうか。

複数の情報筋は、政治的側面に関するアウン大統領の本訪問の基本目標は、彼の立場の正当化、盟約と同盟のための無垢な道具を探し回るため、そしてヒズブッラーとの同盟原則を確固なものとするためである、と指摘している。

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( 翻訳者:片居木周平 )
( 記事ID:53032 )