リゼ・アルトビン空港開港、その特徴は?
2022年05月14日付 Hurriyet 紙


世界で5か所にしか存在せず、このうち2つがトルコ国内に位置する、埋め立てで人工島を作り建設されたリゼ・アルトビン空港が本日開催された式典の後開港した。巨大な空港の開港は、エルドアン大統領とアゼルバイジャンのイルハム・アリイェブ大統領により執り行われた。エルドアン大統領が2014年にリゼでの集会で「私があなた方を見ていると空を見ている。分かった、あなた方は空港を欲しがっているのだ。」という言葉を受けてリゼ・アルトビンの共同運営の空港に向けた動きがスタートした。さてリゼ・アルトビンの空港のプロジェクトの特徴である…

交通インフラ省が300万平方メートルの海を埋め立てることで完成したリゼ・アルトビン空港は、トルコの面積の数字も変更し、エルドアン大統領とアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領を乗せた飛行機が最初に着陸することで本日開港した。

■巨大プロジェクトの特徴

作品の腕前や施工、技術の優れた能力で印象を残す建築家シナンが1558年にスレイマニエ・ジャーミィで活用した「先積み工法」を活用し、海を埋め立てて建設した空港は、(トルコでは)オルドゥ・ギレスン空港に次いで2つ目、日本・香港・韓国に続いて世界では5つ目の海上空港となった。空港には、民間用の滑走路の他、トルコ空軍と沿岸警備隊のための滑走路2本が建設された。
デミルオレン通信(DHA)は、海を埋め立てた(人工島の)空港としてトルコでは2つ目、世界では5つ目の空港であるリゼ・アルトビン空港の5年間に及んだ建設の段階について、陸、空、海、水中で段階の最も特別な画像を編集し、建設技術の詳細を捉えた。

■分かった、あなた方は空港を欲しがっているのだ

エルドアン大統領が2014年にリゼでの集会で「私があなた方を見ていると空を見ている。分かった、あなた方は空港を欲しがっているのだ。」という言葉を受けてリゼ・アルトビンの共同運営の空港に向けた動きがスタートした。起伏が大きいこの地域の地理的構造が原因で、陸上には建設が不可能であり、交通インフラ省のインフラ投資総局(AYGM)の技術チームは用地のため海を埋め立てる決定を下した。
国内線・国際線の両方のフライトの発着ができる空港のため起こり得る障害物そして交通予測を行い、最適な用地はリゼのパザル市のイェシルキョイと判明した。

■建築家シナンの技法

空港で毎年何千もの飛行機が着陸および離陸する滑走路と土台の上に立つ施設があるため、作品の技法や優れた技術で知られる建築家シナンが1558年に建てたスレイマニエモスクで使用された「先積み」技術が採用された。この方法では、空港の建物の荷重に相当する一時的な盛り土が建設された。一定期間時間を置いたのち盛り土を撤去することで沈下を最小限に抑制した。
滑走路の長さから進入灯、舗装の種類と厚さ、沈下の予測と対策まで、数十の異なる地点で緻密な計算が行われた後、2017年4月3日に基礎を敷設した状態から埋め立てが開始された。

■ダイバーも参加

建設では、その時点で最先端の建設技術が用いられ、海底の軟らかい砂が取り除かれた。このために、100万立方メートルの土が浚渫で海底から取り出された。黒海の激しい波から空港を保護するために、外側の保護防波堤が建設された。7kmの距離から輸送された、1つ1つが8〜10tの数百万個の石が、トラックや船で輸送され、水深平均17.5mの埋め立て予定の海域で高さ28mまで埋め立てられた。

海中の地震装置で測定した後、重さが35tと45tの2万500個の'xブロック要素'(消波ブロック)が300tのクレーンを用い、ダイバーによって海の下に置かれた。1億tの石が海を埋めるために使用された空港では、76個の進入灯が304個の杭に配置された。

■上部の工事に移行

PATエリアと呼ばれる滑走路、エプロン、誘導路、および建物の部分の埋め立てが完了し、先積みによって、発生する可能性のある地盤沈下への対策がとられた後、上の部分の工事が下方から開始された。 50万平方メートルの砕石基礎と下の基礎、瀝青質の基礎、結合部の基礎が建設された。最後に、最上層として特別な伸縮する特性を持つマスチック(漆喰の一種)アスファルト舗装の滑走路が建設され、地面を強化し地盤沈下を防ぐため、トルコでは初の規模となる81万平方メートルの面積で3回ジオグリッドの材料を用いた。

■滑走路1本は民間用、2本は民間用

年間300万人の乗客を収容できる空港では、300m×120mと、120m×120mの木と石を用いた地元の建築モチーフを活用した民間用のエプロンと、トルコ空軍と沿岸警備隊司令部のためにさらに2つのエプロンが建設された。国内線と国際線のフライト両方に対応可能な長さ3000メートル×幅45メートルの滑走路と、265メートル×45メートルの誘導路があるリゼ・アルトビン空港では、4万7千133平方メートルの制限区域で構成されている。用地面積300万平方メートルの空港が出来たことにより、トルコの表面積は78万3千562平方キロメートルに変更された。

■2kmの連絡道路

450台収容可能な駐車場と多目的なガレージビルが設置されているリゼ・アルトビン空港には、これらに加え技術区画、熱・電力センター、消防・救助ステーション、廃棄物センターなども建設された。道路交通のために2kmの接続道路と橋・ジャンクションが開通し、空港には長さ470メートルの高架橋が建設された。

■タワーはティーカップ

空港では、ターミナルビル内に茶博物館が建てられたほか、管制塔が細い茶碗として設計され、空港の入り口は茶葉の形で作られた。13万5千平方メートル以上の面積を持つ空港のうち4万9千平方メートルは、黒海の地理的特徴に適合した1453本の木で緑化された。トルコでは 58番目の空港であるリゼ-アルトビン空港は、オルドゥ・ギレスン空港に次ぐトルコでは2つ目、世界では日本、香港、韓国に続き、世界5つ目の海上空港として記録された。

■試験飛行に成功

空港では滑走路上の航法装置の試運転のための試験飛行が完了した。 航空機を滑走路の中心線に向けるILS装置を制御するため、入ってくる試験航空機による最初の着陸は成功した。アディル・カライスマオール交通インフラ大臣は、建設段階のあらゆる瞬間を近くから見届けた。
ところで官報の発表では、エルドアン大統領の署名により公表された決定により、リゼ・アルトビン空港は常に各国との出入国ができる国境ゲートとすることに確定した。

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( 翻訳者:宮崎友裕 )
( 記事ID:53444 )