イラク:「ローザンヌ条約失効」神話は本当か?(1)
2022年06月19日付 al-Quds al-Arabi 紙
■イラクとローザンヌ条約失効の神話
【トルコ:本紙】
2023年7月が近づくにつれ、トルコ共和国が第一次世界大戦後に連合国と締結したローザンヌ条約が失効するという神話や迷信が、様々なSNSやWhat's appのグループ上で盛んに流布している。同条約の有効期限が、1923年7月になされた調印から100年後とされているためである。この陰謀論はローザンヌ条約に関して、アラビア語を含む様々な言語でインターネット上に公開され、参照可能な同条約の各条項には含まれていないいくつかの点を取り上げている。
ローザンヌ条約失効の陰謀論を唱える者たちが触れ回る点のなかには、同条約での決定事項に複数の不正な条項が含まれたとする見解がある。例えば、「当時成立したばかりのトルコ共和国の大統領であったムスタファ・ケマルは、バルカン・中東・北アフリカにおけるオスマン帝国の領土を放棄した。そしてヨーロッパの圧力に屈し、イスラーム・カリフ制を廃止し、最後のスルタン=カリフであるメフメト6世を追放した。1922年に新たな共和国議会(大国民議会)がカリフを廃位すると、1924年に憲法で新国家の世俗主義を表明した」といったものである。経済面に関しては、陰謀論者らは「同条約はトルコに対し、領土内の石油やガスといった天然資源の採掘を禁止した」と主張する。
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( 翻訳者:吉岡珠実 )
( 記事ID:53715 )