シリア:アサド大統領一族、麻薬「カプタゴン」密輸に加担か(5)
2022年06月23日付 al-Quds al-Arabi 紙
■アサド一族が体制の資金調達のため麻薬「カプタゴン」の密輸に加担しているとドイツの捜査官らが公表
【ベルリン:本紙】
≪貨物が次から次へ≫
嫌疑がかかる「イヤード・S」の仲間の中に、シリア人の同僚「ムハンマド・B」がいる。彼はドイツのボーフムに近い地域に住んでおり、ドイツへ逃亡する以前、シリア国内での麻薬の密輸に関与していたとされる。また起訴状によると、同氏はアサド一家と深い関係にあったという。調査員らは、「アブー・フアード」とその仲間はシリアの体制の手先として働いていたとみている。なお、これは仲間の男4人中2人が、かつてラタキア港で影響力のある地位に就いていたという、調査官らが辿り着いた複数の証拠に一部に基づいた見方だ。
また度重なる商品の差し押さえや押収にも関わらず、彼のグループの貨物は全て同港からやって来ていた。また継続的に追加の貨物が送られており、高い生産能力が示唆される。そして、捜査官らは「ムハンマド・B」の会話を監視下に置くことに成功した。彼は通話の中でアサド一族のメンバーと継続的な蜜月関係にあることを誇っていたという。
ドイツ・欧州の捜査官らは、シリアにおいてあらゆる麻薬取引がアサド体制の保護下にあると確信するようになった。そしてアサド大統領の弟マーヒル・アサド氏が率いる第四機甲師団もまた、麻薬の貨物から金銭を得ているという証拠を発見したのだ。同部隊はラタキアから積み込まれる1つのコンテナにつき30万ドルを得ているとみている。また、真面目に監視業務を行わないように、6万ドルが兵士らに支払われていると想定されている。
「カプタゴン」錠剤は合法な製品であるかのように隠蔽されており、例えばタイヤや鉄製の歯車、工業用のペーパーロールといった商品の中に隠される。また、ある時はソファーや果物の食品サンプルにさえも隠されるが、それにも関わらず貨物はいつも、80年代からアサド一族の支配下にあるラタキア北部の港からやって来るのだ。
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( 翻訳者:吉岡珠実 )
( 記事ID:53813 )