シリア:アサド大統領一族、麻薬「カプタゴン」密輸に加担か(7)
2022年06月23日付 al-Quds al-Arabi 紙
■アサド一族が体制の資金調達のため麻薬「カプタゴン」の密輸に加担しているとドイツの捜査官らが公表
【ベルリン:本紙】
国連は2020年に、シリアが全50トンもの「カプタゴン」製造の主な原材料を輸入したと報告した。この化学物質はプソイドエフェドリン(pseudoephedrine)と呼ばれ、処方箋の必要な風邪薬に使われる一方で、クリスタル・メタンフェタミンの製造にも使用される。50トンというのは、巨大製薬産業を有するスイスが輸入する量の半分より多い。
シリアにおいて、どのグループが個々の密輸行為を取り仕切っているのか正確にははっきりしない。しかし彼らが犯したミス、および一部の貨物に認められるプロの仕込みの形跡すべてに基づく、複数の証拠は存在する。またノルトライン・ヴェストファーレン州の2年間に及ぶ調査の中で、ヒズブッラーはラタキアから到着した貨物に関していかなる役割も果たしていないようだ、ということが明らかになった。代わりに、アサドの従兄らが独自の流通網を作ろうと躍起になっていたようである。そして彼らはヒズブッラーのような経験がない海外において、いくつかの初歩的なミスを犯した。
11月、「イヤード・S」は観光ビザで再びドイツへ向かった。エッセン市の捜査官らは、彼を待ち構えていた。彼こそが、この事件の全容が一向に解明されない状況を作り出した張本人だからだ。
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( 翻訳者:吉岡珠実 )
( 記事ID:53815 )