AKPのゴミ箱行きプロジェクト、一挙公開1
2022年08月06日付 Cumhuriyet 紙
ひび割れの発生したメレン・ダムに80億トルコリラ(TL)、失敗に終わったアンカパークに 8億100万ドル、利用客がほとんどなく飛行機の着陸もない空港へ何十億リラものお金がつぎ込まれた。
AKP(公正発展党)政権下で野心的なレトリックで実現が目指された多くのプロジェクトは、未完成のままになった。これらのプロジェクトでは、公的資金から企業に数十億リラが渡されたが、不適切な施工のために未完成となったか、法的手続きが完了していないことが理由で放置されている。起きていることは、大衆の数十億ドルが無駄になったということだ。
BirGünのイスマイル・アリ氏のニュースによると、メレン川プロジェクトは政府が完了できなかったプロジェクトの1つである。2012年5月29日に、国家水道総局はメレン・ダムの最初の入札を行った。エジェ・トゥアとヨンタシュ建設の合弁事業が2億1385万リラで入札したことが発表された。2014年にダムの基礎工事が行われ、デュズジェ県とサカリヤ県の境にあるブユク・メレン川が黒海に注ぐ地点で建設が開始されたダムの建設には、2億1400万リラの費用がかかると発表された。
起工式で、当時の林業・治水大臣であったヴァイセル・エルオール氏は、メレン・ダムが2071年までの間のイスタンブルの水問題を解決すると主張した。エルオール大臣は、ダムの建設が 2016年12月7日13:59に完了予定と発表した。大臣は、「イスタンブルの住民は水不足を心配する必要はありません」と述べた。式典で、イスタンブル都市圏(İBB)のカディル・トプバシュ市長は、「私たちはあなたと一緒に歴史を目の当たりにしています。私たちは未来の世代のために歴史を作っています」と述べた。
■80億リラが費やされた
建設会社は、大臣が発表した日にはダムの建設を完了することができず、国家水道総局は2016年12月29日にダムの建設を完了するための別の入札を行った。この入札は、1回目の入札でも採用されたエジェ・トゥアとヨンタシュ建設の合弁事業が2億7154万8千リラで落札した。これら2つの入札を合計すると、エジェ・トゥアとヨンタシュ建設は合計4億8539万8千リラの契約を結んだ。
しかし、ダムプロジェクトは完了できず、建設中にダムの本体に亀裂が生じた。ダムが完成できないまま、メレン川の水をパイプを利用してイスタンブルへ送水する事業が開始された。イスタンブル広域市市長にİBBのエクレム・イマムオールが就任直後の2019年10月19日にダムの建設に関する調査が行われ、ダム本体の深い亀裂が原因で建設が中止されたことが発表された。水道総局は、2020年2月28日にメレン・ダム補強工事のためまたも別の入札を行った。この入札では、エベレストエンジニアリング建設交通産業商業社が4億1215万1千リラの入札を提出し落札した。
同社と水道総局の間で締結された契約によると、補強工事は2023年2月26日に完了する予定となっていた。しかし、会社関係者と水道総局関係者の折り合いがつかず、会社はプロジェクトを清算することを決定した。水道総局は要求を受け入れ、2022年7月8日にメレン・ダムの再工事は中止された。
3回の建設入札、いくつかのコンサルティング入札、イスタンブル市上下水道局(İSKİ)から水道総局に移転された財源、および収用費用が含むと、メレン・ダムのために公共財源から少なくとも80億リラが費やされたことが明らかになっている。
■アンカパークプロジェクト
アンカパークの建設は、AKPのメリヒ・ギョクチェクがアンカラ広域市市長であった2013年に開始された。すべての反対にもかかわらず、アタテュルク・森林農園の敷地に建設されたこの公園は、メリヒ・ギョクチェクの後任ムスタファ トゥナ市長の時代にリースに出された。2018年9月20日に実施された入札で、アンカパークがGBM商業鋼鉄共同発展グループに29年間、年間2,640万リラでリースされたと発表された。アンカパークは、2019年3月20日にワンダーランド・ユーラシアという名前で一般公開された。ところが2019年9月に運営会社の負債により、公園で差し押さえ操作が行われた。2019年12月には、200万リラの累積の電力代未払いにより、公園の電力が停止された。未払い金の一部が返済された後、公園の電気は2020年1月20日に再通電された。来園者数の減少により、2020 年2月に閉園した。ギョクチェクに対する刑事告訴は、検察庁に何度も提出されている。
■8億100万ドルが費やされたことを発表
2022年7月、裁判所の決定により公園がアンカラ広域市に譲渡されたことが発表された。譲渡プロセスの後、アンカラ市は公園への人々の評価について調査を開始し、アンカラの人々に意見を求め始めた。調査の結果では、アンカラの人々はこの敷地を緑地に変更することを希望していた。
アンカラ広域市のマンスール ヤヴァシュ市長は、市の財源から約8億100万ドルがアンカパークに費やされたと発表した。
■使われたことがない
ウシャク空港、チャナッカレ・ギョクチェアダ空港、バルケシル中央空港は、公的資金から数百万リラを費やして建設されたが、何年もの間使用されていなかった。国家空港管理(DHMİ)総局のデータによると、2020年のウシャク空港利用者は合計7500人であった。しかし、2021年にウシャク空港を利用した乗客は52人だけだったという。今年の1月~4月には、空港では83人の職員が雇用され、また数百万リラ相当の車両と設備があるがこれらが使用されたことは無かった。
バルケシルのエドレミト地区にはバルケシル・コジャ・セイト空港があるが、AKPは2016年にバルケシル中央空港という名前で市内に別の空港を建設することを決定しました。プロジェクト額は3000万リラ、旅客数100万人を目標としたこの空港は、2019年に7600万リラを投じて完成し、2020年2月に開港した。しかし、国家空港管理総局のデータによると、空港が開港した日以来、飛行機は着陸していない。同空港では2年間、定期便が着陸せず、旅客も来ていないが、総勢51名の職員が勤務する。
何年も使用されていない別の空港は、チャナッカレのギョクチェアダ空港がある。国家空港管理総局によると、2020年と2021年に38人の職員が雇用されたギョクチェアダ空港を訪れた乗客はおらず、定期便も設定されていなかった。
■3ヶ月使用
この空港は、観光の発展を目的として、2010年8月15日にリニューアルされ供用された。空港の開港式のスピーチで、国家空港管理総局のオルハン・ビルダル局長は、合計8812万 リラが空港に費やされたと発表した。式典に出席したビナル・ユルドゥルム運輸大臣は、「ギョクチェアダ空港は島の観光と開発に貢献するだろう」と述べた。
その後、2011年7月12日に当時のユルドゥルム運輸大臣から、イスタンブルのサビハ・ギョクチェン空港から初の定期便が週2回運航されることが発表された。しかし、空港は3か月しか使用されず、ユルドゥルムが発表した定期便も3か月しか運航されなかった。これにより、再び空港への定期便は無くなった。
■破壊されたメトロバス
イスタンブルのために購入されたが使用できなかったメトロバスには、何百万ドルもの公的資金が費やされた。車両は、イスタンブル広域市がAKP政権下の期間中に「これらの車両はイスタンブルの地形構造に適していない」という警告にもかかわらず、市の財源から6300万ユーロが支出され購入された。2008年と2009年に車両を購入したイスタンブル市営交通局(İETT)のメフメト・オズトゥルク局長は、メトロバスを購入したことを後悔していないと述べた。オズトゥルク局長は昨年“BirGün”への声明の中で、「今日であってもメトロバスをもう一度購入するだろう」と語った。通常の連接バスの4倍の価格のオランダ製のバスは、イスタンブルの道路の物理的条件に適応できなかったため、頻繁に故障した。故障のため、バスは時々運行されるだけとなり、大半の車両はガレージでそのまま放置された。イスタンブル市交通局でのメトロバスの購入における不正行為の疑いで裁判にかけられたメフメト・オズトゥルク元局長を含む18人の被告は、2011年に無罪となった。
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( 翻訳者:宮崎友裕 )
( 記事ID:53865 )