シリア:「裸の男」をめぐるファクトチェック
2022年08月27日付 al-Mudun 紙


■警察はダマスカスで裸の男を逮捕せず

【本紙:メディア】

SNSの複数の公開ページや地元の個人アカウントで、ある写真が拡散された。そこには公道で自転車を漕ぐ裸の男性が写っており、写真を拡散する人々は、その写真の男は56歳で、警察がダマスカスのメッゼ地区で逮捕したと主張している。男の主張によると、泳ぎに行くところだったという。

多くのウェブページが拡散に関わったことで、その写真及び先述の主張は広く拡散された。そして、公衆道徳や「シリア国家」の社会秩序維持における役割に関する議論が提起された。

ニュースのファクトチェックを専門とするプラットフォーム「確認」によると、その写真はシリアで撮影されたものではないことが写真の逆検索によって発覚したという。むしろ、この写真はAFP通信のカメラマンによって2020年9月にフランスで「世界裸自転車レース」というイベントの開催中に撮影されたものだった。なお、このイベントは、世界中の国々、特にヨーロッパとアメリカから、ヌーディスト・コミュニティが集まる自転車レースだ。

また、報道用写真サービス「ゲッティ」でその写真は確認でき、以下の注釈が添えられている。「フランス西部のレンヌ郡周辺で、人々に人間の弱さと生態システムを思い出させるために、裸で自転車に乗るサイクリストらの一人」。

さらに、その主張と関連するキーワードを用いた高度な検索の結果、シリア警察がダマスカスで自転車を裸で漕いでいた50代男性を逮捕した、という主張を裏付ける情報源は一切見つからなかった。ウェブサイト「首都の声」の主宰者は「確認」の声明において、類似のニュースは一切確認できていないと語った。

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( 翻訳者:萩原優太 )
( 記事ID:53978 )