ラバト:モロッコのメディアが2026年W杯開催地決定問題を《再び》取り上げる
2022年08月31日付 al-Quds al-Arabi 紙
■クシュナー氏は回顧録で、2026年W杯開催地を決める投票でアラブ諸国がモロッコに投票しなかったと語る
【ラバト:アブドゥルアジーズ・ベナッボウ】
モロッコで最も読まれているスポーツ新聞『ムンタカブ』紙をはじめ、各メディアが、2026年FIFAワールドカップの開催地を決める最終投票で、多くのアラブ諸国がモロッコに反対票を投じた問題を再び話題にした。
ドナルド・トランプ前米大統領の娘婿で、最高顧問を務めたジャレッド・クシュナー氏の回顧録でこのことが言及されたためである。
クシュナー氏の回顧録は、(過去の事象や記憶を)政治的にかき立てただけでなく、政治という衣を着たスポーツイベントや祭典にも改めてスポットライトを当てたようだ。その一つが2026年のFIFAワールドカップの招致をめぐって、クシュナー氏が米国・カナダ・メキシコの3カ国共同開催に賛成票を投じるようサウジアラビアに働きかけたことである。しかし、すでにクシュナー氏はその事実を認めている。
今になってこういう話を蒸し返しても仕方がない。なぜ今頃蒸し返すのかと首をかしげる向きもあるかもしれない。しかしクシュナー氏の回顧録の刊行にあわせたものだと考えれば、この疑問も消えるだろう。取捨選択的なクシュナー氏の回顧録では、モロッコ案に反対した国々を列挙しただけでなく、わざわざ2026年問題の内幕を明かしている。
『アル・ムンタカブ』紙のモロッコ人スポーツジャーナリスト、ジャルール・トゥワイジェール氏によると、当時の投票は公開され、投票会場となった会議室の大型スクリーンに、決選投票の様子がすべて映し出されたため、この件(アラブ諸国がモロッコ案に反対したこと)は周知の事実であった。
(後略)
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( 翻訳者:百田凜花 )
( 記事ID:53985 )