アラブ諸国:西側諸国からの武器・弾薬購入が困難になる中で増すトルコの存在感(2)
2022年10月05日付 al-Quds al-Arabi 紙


■ウクライナ戦争が原因でアラブ諸国は西側諸国からの弾薬の入手に頭を悩ませる…トルコが代替先に

【ロンドン:本紙】

フランスの『ル・モンド』紙やスペインの『エル・パイス』紙のような欧州の論壇では、欧州の軍隊が現在頭を悩ませている大きな困難について指摘されている。それは、爆弾やミサイルといった軍需品の在庫が限られていることだ。そのため、複数の欧州諸国がウクライナに対して出し惜しみをして、限られた軍事支援のみを提供しているのだ。

EUの報告書は、既に欧州諸国における軍事物資の在庫の減少について、軍需産業は在庫製造のテンポに十分に対応できていないと警告を発している。一方、ウクライナは米国の軍事支援に感謝すると同時に、フランスとドイツを筆頭に欧州のいくつかの国に対して厳しい批判を行っている。

このような軍事的な困難を前にして、アラブ諸国は武器、特に弾薬を購入するためにトルコと中国という2つの国に向かっている。トルコはこの武器に関する世界の状況をアルジェリアやモロッコといったアラブ諸国との様々な契約を結び、武器販売の世界的な中心国へと変貌する好機ととらえている。また、トルコは米国議会がUAE、サウジアラビア、モロッコとの契約を阻止しているのを利用して、既にこれらの国々と契約を結んでいる。

現在、ウクライナ戦争のおかげで前述のアラブの3か国やその他の国々にとってトルコの軍需産業は重要性を増している。トルコはアラブ諸国の軍隊も含めた西側諸国の兵器の多く軍事物資を製造しており、このことが軍需産業におけるトルコ製の製品の需要増につながっている。そして、トルコ製の武器の需要が倍増することはトルコの軍需産業の発展に寄与するだろう。

砂漠に嵐をもたらすサウジアラビアとUAEが、モロッコから継続的に軍事物資を受け取っていながらここ数年のフーシ派のせん滅に失敗してしまったとしたら、軍事物資(の契約)が凍結されている中でどんな状況になるのだろうか。

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( 翻訳者:国際メディア情報センター )
( 記事ID:54201 )