「大学生生活・経済状況調査」結果、発表
2022年10月09日付 Cumhuriyet 紙
トルコでの生活費の高騰は、何百万人もの大学生を迎え入れるイスタンブルにやってくる若者にとって大きな危機と化した。イスタンブルで学生になることは、若者や家族らに大きな経済的コストを背負わせている。2022-2023学年度には、実家住まいの学生の年間の生活費は2万1918TLだが、寄宿舎に住む大学生の生活費は6万4278TLにものぼった。
2018年半ばから続くトルコ経済危機の影響を最も受けている都市はイスタンブルだ。イスタンブルは、国立、ワクフ大学で教育を受ける合計107万3384人の学生を迎え入れている。8月のデータによれば、イスタンブルでの生活費は年間101.69%上昇した。
大学生の多くの生活必需品は、インフレ率の上昇とともにさらに出費がかさむものとなった。特に住居は大都市に住む学生の一番大きな費目となった。イスタンブル広域市(İBB)イスタンブル企画局(İPA)統計室は、2022年9月のデータをもとに「大学生生活・経済状況調査」を行い、イスタンブルに住む大学生1人あたりの月間および年間生活費がどの程度変動するかを計算した。
■「新しい借り主への家賃アップは161.4%」
調査では、学生1人あたりの居住費、食料費、水道光熱費、文化芸術費、文具代、美容健康、交通費といった支出が並んだ。調査では以下の驚くべき情報が明らかになった。
イスタンブルの家賃は、現在家を借りている人にとっては45.48%増加した一方、新たに家を借りる人にとっては161.4%にものぼった。新たに家を借りる場合の平均家賃は6360TLとなり、特に教育を受けにイスタンブルに来た、実家住まいができない若者にとって住居は大きな危機と化した。
大学生の毎月の居住費は、奨学金・寮施設総局(KYK)寮で553TL、民間寮で3300TL、寄宿舎では1900TLとなる。寄宿舎に住む大学生の1か月の食費は1230TLである。実家やKYK、民間寮に住む大学生の1か月の水道光熱費は80TLだが、寄宿舎に住む人の1か月の水道光熱費は480TLとなった。学生の1か月あたりの文化芸術娯楽費は260TL、食費は550TL、交通費は109TL、本・文具代は160TL、美容健康費は210TL、年間の被服・服飾品費は2570TL、年間通信費は2920TLとされた。
■「年間支出は6万4278TL」
イスタンブルで実家住まいの大学生の1か月の生活費総額は1826.5TL、KYK寮に住む学生は2379.5TL、民間寮に住む学生は5126.5TL、寄宿舎に住む大学生は5356.5TLと計算された。イスタンブルで実家住まいの大学生の年間生活費は2万1918TL、KYK寮に住む学生は2万8554TL、民間寮に住む学生は6万1518TL、寄宿舎に住む大学生は6万4278TLとされた。
■KYK寮20棟、民間寮251棟
イスタンブルには、青年スポーツ省奨学金・寮施設総局が提供する合計1万2699床の学生寮20棟がある。2021-2022学年度には、寮に受け入れられた学生は住んだ寮のタイプに応じて月230~390TLの費用を支払った。2022-2023学年度にはKYK寮費が250~450TLになると発表された。イスタンブルには民間のワクフや機関が提供する2万8900床の学生寮251棟がある。大統領府の発表によれば、2022-2023学年度の民間寄宿舎費用は年間2万TL~8万TLとされる。
■都市で学生になるのは持続可能的でない
KYK奨学金・ローンは、2022年には学部生に月850TL、大学院生には1700TLとされた。特に都市で大学生になることは経済的に持続可能的ではなくなった。大統領府戦略・予算庁によって作成された第11次開発計画では、青年スポーツ省が担当する対策のなかに大学生の居住権ならびに食料品をはじめとする生活必需品へのアクセスを保証することが述べられた。
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( 翻訳者:安井 悠 )
( 記事ID:54215 )