大学オンライン化に各方面ら反発
2023年02月14日付 Cumhuriyet 紙
貸与金及び寮協会(KYK)付属の学生寮を震災被災者らが利用できるようにするために大学の授業を遠隔授業に移行し、これにより再び教育が犠牲になることに対して、社会のあらゆる層が抵抗している。
震災被災者らに住居を提供する必要からKYK付属の学生寮を空けるため大学の授業を遠隔化する決定を下したことに、あらゆる点から批判が寄せられている。ある教育関係者は「この決定に関する論理的な説明が全くない。思い浮かぶとすれば、判断ミスに対して徐々に不満を募らせた学生らが団結して起こしうるデモを防ぐことである。」と述べる。遠隔授業のためのインフラが十分に整っていない大学が多くあることにも注意を促す。
遠隔授業実施の決定発表後から何をするべきか困惑する大学執行部らは、繰り返し会議を行い突破口を探している。授業がオンラインで行われるか、ハイブリッド形式で行われるかについては明確になっていない。
◾︎どのように実施させされるか
遠隔授業を実施するにしても学生をキャンパスに招き入れるために糸口を探る大学もある。これらあらゆる事項のため、高等教育機構から運用原則の説明が待たれる。
教育学者のサーキン・オネル博士は、「被災地にはインターネットのインフラがないため、遠隔授業を実施するのは不可能である。インターネットのイルフラが整えられたとしても、遠隔授業を受けられるような設備がない。」
また、オネル博士は遠隔授業への移行決定を甚だしい誤りだとし、以下のように述べた。
「国内には、376万8000人の大学生が計75万9838床のキャパシティをもつKYK付属の寮に滞在している。我が国のホテルには120万床のキャパシティがある。夏までの期間、被災者らはこれらのホテルに滞在することも可能だ。そうすれば、大学生らもKYKの寮に寝泊まりしながら大学に通い続けることができる。一国の未来は教育にかかっている。」
◾︎トラウマの克服法は日常だ
セルチュク・シリン教授は以下のように述べている。
「トルコ社会は深刻なトラウマを経験しているが、このトラウマから最も影響を受けているのは学生らだ。トラウマの克服法は日常である。子供や若者らは日常に戻る必要がある。彼らを家に閉じ込めておくことは、彼らが経験したトラウマを増大させることにつながる。」
シリン教授は、大学は授業を受ける場ではなく、若者が社会的、心理的、知的なニーズを満たす場であることに注目し、以下のように述べた。
「この点からすると、トラウマを経験したこの時期こそ対面授業を行う必要がある。また、寮は被災者が滞在するため必要となる条件を満たさない。子連れの家庭やトラウマを経験した家庭が、台所や遊び場のない部屋や建物で何をするというのか全く分からない。もし被災者全員が寮に滞在したとしよう。寮の滞在可能人数は80万人。15万世帯の住処を満たすのみなのだから、寮の多くは彼らが住むことのできる場所ではないのだ。我々には220万人滞在可能なホテルがある。被災者の滞在場所を提供するべきセクターはホテルである。ホテルは、トラウマを経験した被災者らにとって寮よりも断然よりよく過ごせる場所である。」
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( 翻訳者:金子萌 )
( 記事ID:55023 )