ヒッタイトの王シュピルリウマは地震の被害を免れた。ハタイのモザイク画も無事だった。被害があった博物館の作品は、他の博物館に輸送され、修復がはじめられた。
ハタイ考古学博物館のシンボル作品であるヒッタイト王シュピルリウマ像は、一部の展示で被害がみられた博物館の中で被害を受けずにいる。戸惑い、心配そうな表情で、地震を理解しようとしているかのように佇むシュピルリウマ象が無傷であったことは幸いであった。文化観光省は、地震当初から、博物館は一瞬たりとも無人とすることなく、作品の修復作業が始まったと発表した。「シュピルリウマがもうすぐ訪問者と会えるだろう」と吉報を告げた。
世界最大のモザイク博物館の中に含まれるハタイ考古学博物館のモザイクでも、どの作品も被害を受けなかった。博物館を支える柱には問題はないと強調し、再開館に向けて作業が速やかに進められていると発表された。地震の後、緊急事態行動計画に沿って最速かつ包括的な人員の強化がハタイ考古学博物館に対して行われた。停電のためにセキュリティが脆弱にならないように博物館へ太陽光で動くカメラシステムが導入された。
地震の影響を受けた10都市の歴史的文化的建築物の修復が開始された。
■ヒッタイトの王
紀元前9世紀、後ヒッタイト時代に当たるヒッタイト王シュピルリウマ2世の像は、2013年にハタイ県レイハンル郡のテル・タイナット遺跡で行われた発掘で明るみにされた。一方の手に槍を、もう一方の手には穂を握ったシュピルリウマ王像は、大きな目と、驚きと好奇心に満ちた表情で、あらゆる人の注目の的となった。石像部分が玄武岩から、驚いているような眼が石灰岩からつくられた1.5メートル、1.5トンの像は、ハタイ考古学博物館で展示されている。
■10の都市で被害の確認
10都市で文化財の被害の確認が始まった。さらに、文化観光省は、ハタイとアンタキヤのために文化ルートの航路をつくり、この航路上で現在登録されている建築物すべての修復を計画している。地域のモスクからシナゴーグまですべての登録建築物の責任を文化観光省が担うことになる。隣の被害を受けた建物の倒壊リスクの可能性に直面するカフラマンマラシュ博物館、中程度の被害とされたエルビスタン博物館、ハタイのネジミ・アスフロール考古学博物館と市立博物館の一部作品は、周辺の都市の被害のなかった博物館に移送された。
■握手場面の柱は盗まれていない
文化観光省は、アドゥヤマンに所在する2000年前のカラクシュ古墳で倒れた握手柱が盗まれたという噂は事実でないと発表した。倒れた円柱はアドゥヤマン博物館に移され、安全であると強調した。
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( 翻訳者:佐藤はつみ )
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