クインシー研究所:米国のイスラエルに対する譲歩がイランとの悲惨な戦争の扉を開く(1)
2023年02月25日付 al-Quds al-Arabi 紙
■米国シンクタンク:イスラエルへの譲歩により、バイデン大統領はイランとの悲惨な戦争の扉を開ける
【ロンドン:本紙】
ワシントンDCにある責任ある政治のためのクインシー研究所 ( Quincy Institute for Responsible Statecraft)傘下のレスポンシブル・ステイトクラフト・センターのサイトで、研究者のトリタ・パルシ氏は「イスラエルへの譲歩により、バイデン大統領は戦争の扉を開ける」と題した論考を発表した。彼はこの論考の中で、「全ての視線がウクライナと中国の空中バルーン危機に向けられてきた中、バイデン政権はイスラエルがイランと悲惨な戦争を始めるのに反対するという、過去の米国の立場を変化させたようだ」と強調した。
また、論考ではこの点に対して、トマス・ニデス駐イスラエル米国大使の発言を引用している。日曜日、米国ユダヤ系主要団体首脳会合の際に、彼は「イスラエルはそれ(イランについての諸事情)に対処するために必要な如何なることも実行できる。また、そうしなくてはならない。そして、我々は彼らを支持する」と発言し、それはある程度の軍事行動が含まれることを示唆するものであった。
スラエルが先月1月29日、イランで複合防衛施設を爆破したことを受け、パルシ氏はニデス大使のコメントが「外れ値」ではないようだと見ている。というのも、バイデン政権は例外的に記者に対して「イスラエルの行動は、イラン政府の核および軍事的な野心を封じ込めるための米国とイスラエルによる新たな共通努力の一部であった」と言及したのだ。
また、アントニー・ブリンケン米国国務長官は翌日この件について質問された際、非難することはおろか、安定性を激しく損なう可能性に関して、なんの批判や懸念も抱いていないようだった。
さらに、パルシ氏は、ブリンケン国務長官が「我々は、必要性と安全性に応じて、平和が脅かされている地域内、またはその外において、イランが参加する様々な措置に対抗する活動や取り組みを継続することは非常に重要である」と述べ、批判の代わりにイスラエルによる攻撃に対する擁護および正当化だとみなされるような発言をしたと強調した。
(2)に続く
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( 翻訳者:齋藤公佑 )
( 記事ID:55200 )