デミルタシュ元HDP共同党首「インチキはこうやった」
2023年05月17日付 Cumhuriyet 紙
5月14日に投票が行われ決選投票に持ち越しとなった大統領選挙、国会議員選挙の投票後、多くの投票所で不正が生じ、正しい選挙結果が高等選挙委員会のシステムに反映されていないという主張が指摘され続けている。セラハッティン・デミルタシュ元人民の民主主義党(HDP)共同党首は、ソーシャルメディア上で、(野党への)票が(与党によって)どのように盗まれたか、分かりやすく解説している。
トルコで5月14日に投票が行われ、決選投票に持ち越しとなった選挙後、多くの「不正」を指摘する声が上がり続いている。
デミルタシュ元HDP共同党首は、ソーシャルメディア上の自身のアカウントで投稿を行い、投票所で実施された不正及び、必要な予防手段を一つ一つ解説している。
■公正発展党(AKP)と民族主義者行動党(MHP)の「野党」戦術
「(与党が)何年にも渡って不正でどのように選挙に勝利し、この国を支配してきたかということに関して、私の推測及び、取らねばならない予防策をあなた方にシェアしたい」と話すデミルタシュ元党首は、以下のように述べた。
「開票及び集計の際に最も重要な根拠となるのは、実署名入りの集計証明書である。この証明書には、投票所長及び投票所委員会の各政党代表が署名するのが良いだろう。(開票終了後)もしこの集計証明書に異論がなければ、投票済みの投票用紙を入れた署名入りの袋は、何があろうと開けて数え直しはしてはならない。」
「では、投票所委員会に登録されたメンバーが全員公正発展党(AKP)及び民族主義者行動党(MHP)の支持者であるにも関わらず、自身を野党支持者と偽って登録した場合、どうなるのだろうか?そのような場合には、投票所長を含め、全ての投票所委員会が、与党寄りであるということになってしまう。」
デミルタシュ氏は、与党側にいながらも、自身を野党側として登録する政党代表者がいることを強調し、開票する段階では、監視する者がいないことをいいことに、野党側として署名を行い、不正行為に意義を申し立てないだろうと述べた。
■違法な票はすぐシステムには反映されない。
デミルタシュ氏は自身のSNSアカウントで以下のように続けた。
「開票時には、監視者もいないならば、集計証明書を好きなように調整した上で、緑の左派党(Yeşil Sol Parti)、共和人民党(CHP)、善良党(İYİ Parti)の代表として署名し、意義を唱えず、開票結果を野党郡支部に提出するだろう。
受け取った野党側でも、支部に提出されたこの集計証明書を信用してシステムに入力するであろう。このようにして、高等選挙委員会にのデータと共に、署名入りの集計証明書の内容が一致し、不正がどこで起きたのか全く見つからない。
アナトリア通信は、開票率を高く見せ、エルドアン氏が再選確定であるかのような認識を作り出している。
■全て法律に従い、ルールに則っているように見えるが
不正が行われた集計証明書(のデータ)は、最初はシステムに登録されず、その間に与党はわざと数時間にもわたってデータの流れを遅延させた上、野党が不正に関わる証拠を持っているかどうか、異議を申し立てるかどうかを確かめる。
どこで不正が行われたか野党が掴みきれず、開票結果に対して異議を唱えなかったことがわかった途端、(与党によって)不正な集計証明書(のデータ)がシステムに登録され始め、データがスムーズに流れ始めるのだ。
■「スレイマン・ソイル」の仕事の中身
このように全てが合法でルールに則っているように見える。不正の証拠を手に入れることは、もはや不可能なのだ。
こうした作業の中心となるデジタルプラットフォームがあり、その指揮をとるのはスレイマン・ソイル内務大臣である。特に黒海地域及び内陸アナトリアの選挙区で、このプラットフォームが長年利用されている。
不正を防止するための唯一の方法とは、
A)投票所の責任者達を公表する郡の責任者達は、彼らが知らなかったり、確信を持てない、いかなる人物にも権限を与えないべきである。
B)全ての投票所には、正式な開票担当者の他に、最低2人の監視者をつける。
何年にもわたって、この方法でエルドアン氏は選挙に勝利し、民族主義者行動党は10%の議席を獲得してきた。不正はこれだけではないはずだが、残念ながらこれを我々が知る由はない。
このため、正しい開票作業を守ることがさえできれば、必ず選挙に勝つことができるであろう。
諦めてはならない。」
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( 翻訳者:章由実 )
( 記事ID:55615 )