■新たな候補者:レバノン大統領選挙の停滞を解消する存在
【ラービハ・サイフ・アラーム(アフラーム政治戦略研究センター研究員)】
≪候補者はいたが大統領にはなれず≫
レバノン議会は、その政治ゲームのルールを変えられるという大きな期待の中で2022年5月の選挙から最初の1年を終えた。しかしこの最初の1年にレバノンで期待された変化は生じなかった。というのも(2022年5月の議会選挙で)選出された新しい(党派・宗派の)構成を反映した政府の新たな大統領に関する合意形成に議会ブロックは失敗したのだ。さらにナジーブ・ミカーティー首相は暫定政府の首相に留まり、深刻な経済危機からレバノンを救い出すために必要な改革を可能にする広範な権限をもつことなく、必要事項のみを定めている。
一方、アウン大統領の任期は2022年11月に終了し、レバノンは大統領不在の事態に陥った。第1ラウンド11回の会議を通してどの候補者も大統領選出に必要な定足数の3分の2以上の賛成を獲得することができず、議会は新大統領選挙によってその空席を埋めることができていない。
(後略)
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( 翻訳者:藤垣順気 )
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