教育相の「女子小学校」提案に批判集中
2023年07月14日付 Cumhuriyet 紙
以前男女共学が必須ではないと主張したテキン国民教育相の発言が大きな波紋を呼んだ。教育労働組合のオズバイ組合長は「男女共学に関する議論を行うことは、アタテュルクと彼の功績を全く理解していないということだ」と述べた。
国民教育省のユスフ・テキン大臣による、先日出演したテレビ番組での発言が波紋を呼んだ。以前男女共学は必須ではない主張したテキン大臣は、再び男女共学について「女の子を学校に通わせない家族がまず主張するのは『私は娘を男の子と同じ学校に通わせたくない』ということだ。保護者を説得するために、必要であれば女子校を開設できるようにするべきだ。保護者は、望むなら娘を女子校に通わせることも、また男の子と同じ学校に通わせることもできるようにすべきだ。男女共学が基本にはなるが、就学率の向上という意味ではある種の必要な施策を打つ。私が男女共学に反対であるように言われているが、全くの逆であり私は自由主義者であり、男女共学を望む保護者は必ずそのようにあるべきだ。そもそも、国民教育に関する基本法にはそのように書かれている」と述べた。
■シャリーアを暗唱したい
テキン大臣は(彼の著書の)『シャリーア(イスラーム法)・立憲制―新オスマン人による立憲制における民主主義の論争』の書籍を示しながら「この本ではシャリーアを賛美していますか?」と問われ、「シャリーアを賛美できるほどの知識が欲しかったが、ない」と述べた。
テキン大臣の発言に対しては、民主主義勢力の組織や教育労組、政治家などから次々と反応があった。教育・労働組合のカデム・オズバイ組合長は「男女共学と世俗主義教育、科学教育は、共和国の文化革命の根幹だ。男女共学に関する議論を行うことは、アタテュルクと彼の功績を全く理解していないということだ。共和国の、教育統一法の、そしてアタテュルクの革命の何たるかを彼が知っていればよかったのだが」と述べた。
■「完全に災害」
オズバイ氏は、議論になっている女子向けイマーム・ハティプ校と女子向け職業高校にも触れ「女子向け職業高校があり、イマーム・ハティプ校を開校したがそれでも十分ではなく、就学前にまでその対象を広げる議論をしたいと言っている。これは完全に災害だ。後退の土壌を作ろうとしている。世代は前進しているが、心性は後退している。就学率が低いのであれば、保護者が男の子と一緒に学ばせたくないと言って女の子を学校に行かせないのならば、そして大臣がそれを知っているのならば、一体何をしているのか?基本的な任務をできていないと認めているようなものだ」と述べた。
■「誰が不快感を覚える」
アタテュルク主義協会のヒュスニュ・ボズクルト会長は「これはある思考の表れである。世俗主義教育、世俗主義共和国、アタテュルクの原則と革命、完全に独立したトルコ共和国への抵抗だ。女子と男子が一緒に勉強することで誰が不快感を覚えるのか?つまり彼が望んでいることは『国民が求めている』と言って女の子と男の子を別々に学ばせることだ」
■「男女共学は保証」
近代生活支援協会はテキン大臣に対して「男女共学は、世俗主義・民主主義社会の基盤と社会の平和の最も重要な保証である。男女共学の反対は『男女の分離』だ。このような教育によって、我が国の近代とあらゆる方面で発展してきた社会の未来は形成されない」と反応した。
公務員労働組合連合も、男女共学が世俗主義の柱であると強調した。「この後退主義的な政策に抵抗する市民がいる」と述べた。
■「タリバン的思考」
CHP(共和人民党)所属でアンカラ県選出のガムゼ・タシュチュエル国会議員は、テキン大臣の発言について断固として拒否したと強調し「『男女共学は基本である』という言葉の後に続く『しかし』という単語を含む文章を到底受け入れることはできない。憲法の世俗主義に関する条項に完全に反するこのような要求は、タリバン的思考の産物だ。トルコでタリバン的思考は受け入れられない」と述べた。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:55986 )