シリア:通貨価値の急激な下落に直面するシリア人らがボイコットキャンペーンを始動
2016年10月05日付 その他 - Enab Baladi.net 紙
■シリア人グループが1週間にわたって商品の購買を中断するボイコット・キャンペーンを開始
【イナブ・バラディ】
シリア人からなるグループが、「ボイコット者たち」と題され、5月11日から17日までの1週間、食料品や消費財の購入を中断するキャンペーンを開始した。
同キャンペーンの発起人らはフェイスブック上のコメントで、同キャンペーンの目的が、過去2週間で対1米ドルレートが600にまで暴落した「シリア・ポンドを支援する」ことにあると述べた。またこの暴落により、シリア製品の価格は「狂気的な」上昇に見舞われたという。
責任者らの説明によると、同キャンペーンでは、商人から何も買わないことが求められている。「いかなる人であっても、自宅に4日間の生活に足る消費財は備蓄しているはず」との想定のもとで進められる運動により、商人らは商品の在庫を抱えることとなり、それらの価格を引き下げることを余儀なくされるのだという。
シリア人たちはこれまで、アディーブ・ミヤーラシリア中央銀行総裁に対し、対米ドルでのシリア・ポンドの暴落に関する責任を取って辞任するよう求めてきた。
シリア市場では、同国の中央銀行がこうした悪化に歯止めをかけるための措置を講じられていないなかで、外貨に対する購買力の定価に起因する大幅な物価上昇が生じている。
さらに経済アナリストらによると、シリア・ポンドが「緩やかな死」に向かって進みつつあるなかで、物価上昇の波に相対するシリア国民は、平均にして25,000シリア・ポンドを超えない給与とともに単独で取り残されているのだという。
昨年の4月には、シリア世論調査研究センター(SOCPS)が、日本の東京外国語大学(TUFS)のために現地調査プロジェクトを実施した。その際同センターは、シリアの各世帯が現行の平均賃金の約6倍の額を必要としていると明らかにした。
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( 翻訳者:国際メディア情報センター )
( 記事ID:56004 )