チュニジア:イタリアの刑務所におけるチュニジア人移民への虐待をめぐる議論が再燃
2024年03月26日付 al-Quds al-Arabi 紙
■イタリアの刑務所でチュニジア人移民が「自殺未遂」を図ったことにより、人権侵害をめぐる議論が再燃
【チュニス:本紙】
イタリアの刑務所の一つでチュニジア人移民が自殺未遂を図ったことにより、イタリア国内でチュニジア人移民の権利侵害をめぐる議論が再燃している。
元議員で移民問題を専門とする活動家のマジュディー・カルバーイー氏は、チュニジア人の青年が拘留・送還センターで「首つり自殺」しようとしている動画を公開し、彼を本国に送還しようとするイタリア当局に対して抗議した。
また、カルバーイー氏の指摘によれば、近年チュニジア人移民の強制送還が増加しているが、特に昨年EUとチュニジアの間で合意覚書に調印がなされて以降、更に増加が加速している。この合意には、チュニジアが不法移民問題に対処するためのEUからの資金援助が含まれている。
さらに同氏は、「拘留・送還センター内部は人道的に困難な状況にある。チュニジア人移民の苦しみや自殺未遂、日常的な暴力、このような人権侵害を黙認することで、カイス・サイード大統領は、強制送還者を受け入れることと引き換えに、数百万ユーロを受け取っているのだ!」と付け加えた。
今年2月には、チュニジア人の受刑者がイタリアの警察官10人を拷問の容疑で告発した。
また昨年には、イタリア北部のジェノヴァ市にあるキアーヴァリ刑務所で2026年までの刑期を服役中だった39歳の男性が自殺した。
カルバーイー氏は以前本紙に対し、チュニジア人移民がイタリア国内で組織犯罪に搾取されていることに加え、性的人権侵害の被害にもさらされていることを明らかにしており、彼らが保護センターや拘留・送還センターにおいて、非人道的で困難な状況下で暮らしていることを指摘していた。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:山中李咲 )
( 記事ID:57561 )