エルドアン大統領、オランダ戦応援にドイツ訪問へ
2024年07月04日付 Hurriyet 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、当初の予定を延期しユーロ2024の準々決勝の試合で、トルコ代表チームを応援するためにドイツへ向かうことになっている。メリフ・デミラル選手はゴールの喜びでボズクルト・サインをしたことに関して、「ゴールを決めた喜びが頭にあり、そのジェスチャーをした。トルコ人であることに関係しているが、特別な意味は無い」と説明した。

ユーロ2024の16強の試合であるオーストラリア戦で決めたゴール後にボズクルト・サインをして喜んだメリフ・デミラル選手に対する欧州サッカー連盟(UEFA)の調査が始まった。トルコサッカー連盟は包括的な抗弁文書を作成に際し、デミラル選手のジェスチャーが特定の意味を含まないことを述べた。

◾️エルドアン、ベルリンへ

エルドアン大統領は、土曜日トルコ時間の22時に開始される予定のトルコ・オランダ戦をベルリンで観戦する予定だ。エルドアン大統領が準々決勝をドイツで観戦する決定は、UEFAによるメリフ・デミラル選手への調査開始後に下されたものだとされている。

調査の開始後にトルコ国内から次々と反応があり、メリフ・デミラル選手に対しても支持するメッセージが寄せられていた。

ドイツの対応を批判したヌラン・ユルドゥズ教授は、「ドイツは自国で高まる極右の幻想を他国で追い求めている。自国の政治的・歴史的罪を1人のサッカー選手を通じて払拭しようとしているのです」と説明した。バルシュ・エルドアン教授は、「普段から人種差別に苦しみ、アイデンティティを維持しようと奮闘する移民にとってボズクルト・サインは、トルコ人であることと同時に彼らの間の団結と連帯の象徴でもあるのです」と述べた。

◾️事例を集めた

トルコサッカー連盟は、すぐに包括的な抗弁文書を用意した。試合後メリフ選手がこの問題で調査されるのを知った当局は、以前の事例を集めてそれらを弁明に取り入れた。真夜中の会議では、セルビア人の「チェトニックの敬礼」やアルバニア人の「双頭の鷲」などの例が出された。 2018年ワールドカップ予選では、スイスのユニフォームを着ていたにもかかわらず、アルバニア人のシンボルである双頭の鷲のジェスチャーをしたとして、FIFAはシャキリ選手とシャカ選手にそれぞれ1万スイスフラン、リヒトシュタイナーに5千スイスフランの罰金を科した。

EURO2024でも、人種差別を理由にUEFAはセルビアとアルバニアに罰則を科した。[トルコのクラブチーム]バシャクシェヒルのサッカー選手たちは、2019-20年シーズンのUEFAヨーロッパリーグでオーストリア代表ヴォルフスベルガーと戦った試合で敬礼してゴールを祝い、UEFAが罰則を下した。

◾️「灰色の狼」の象徴からボズクルト・サインへ

「灰色の狼」はトルコ、モンゴル、アルタイの神話において神聖な動物であり、民族のシンボルとしての地位を占めている。この象徴がトルコ人に仏教文化から入ったと提唱する人がいる。また、トルコの王(hakan)たちが「成功」を意味する勝利の印として使っていたとも言われている。フン族、キプチャク族、ペチェネグ族のトルコ人が、この身振りを血統を表す形で「私はトルコ人だ」の意味で使ったとされている。 このボズクルト・サインは、民族主義者行動党(MHP)の創設者で初代党首だったアルパルスラン・トゥルケシュ氏が、1991年バクーで集会の参加者にこれを用いて挨拶したことから、トルコの政治においてその地位を確立した。

◾️メリフ・デミナル選手「メッセージ性は無い」

メリフ・デミナルは、ゴールの喜びでボズクルト・サインを行った事に対して、以下のように述べた。
「ゴールの喜びだけが頭にあってそのジェスチャーをしました。トルコ人であることに関係があるものです。トルコ人であることに誇りを感じているので、ゴールの後はそれを骨の髄まで感じました。メッセージ性はなく、ただ私がどれほど誇らしく思い幸せであるかを示したかっただけです。」

デミナル選手は、SNSの投稿でもトルコ国旗を添え、「万歳、トルコ人! 君の隆盛に限界はない」と表現した。

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( 翻訳者:松田麻歩 )
( 記事ID:58282 )