議会は昨日(16日)、服役中のジャン・アタライ氏の国会議員資格に関する憲法裁判所の判決に関して臨時に招集された。しかし、会合は緊張した空気の中で始まり、国会議員らによる殴る蹴るの喧嘩にまで発展した。
公正発展党(AKP)の国会議員たちは早朝から議会に集まっていたが、総会の開会中、出欠確認には参加しなかった。野党側の出席で十分な出席人数を満たし、外にいた公正発展党党員は集団で議場に入った。民族主義者行動党(MHP)の議員たちは出席しなかった。会合の進行において、共和人民党(CHP)のギュリザル・ビチェル・カラジャ副議長が出席していたものの、大国民議会のヌマン・クルトゥルムシュ議長は公正発展党のベキル・ボズダー副議長を議長に指名した。
■手続きについて議論勃発
ボズダー副議長が会合の開始を告げた後、人民の平等と民主主義党(DEM)のギュリスタン・クルチ・コチイイト会派副代表は「アタライ氏の議員資格はく奪の判決は良く知っているだろう。これにより本日再び、我々は会合の招集を要求し、この判決が無効だとする憲法裁判所の判決もある。このため議長の選任は不当である」と述べた。ボズダー選任の手続きについて議論されるなか、民主主義進歩党(DEVA)のイドリス・シャーヒン議員は議長役の順番としてはカラジャ氏がふさわしいと指摘した。
■指をへし折ってやると恫喝
壇上に上がったトルコ労働者党(TİP)のアフメト・シュク議員は「あなたたちは恥知らずだ」と述べ議事堂をかき乱した。公正発展党の議員たちも「おまえこそ恥知らずだ。無礼なことをするな」と反論した。混乱が続く中、公正発展党のエユップ・カーディル・イナン議員がシュク議員に「失礼なことはやめろ」と話すとシュク議員は「その動かしている指をへし折ってやる」と声をあげた。この言葉を受けて公正発展党の議員らが演壇に向かって歩み寄った。このため、ボズダー副議長は15分の休憩を宣言した。
■テロリスト発言も
再び壇上にあがったアフメト・シュク議員は「もっとも凶悪なテロリストはここにいる人たちだ」と公正発展党の席を指さし、イズミル選出の公正発展党、アルパイ・オザラン大国民議会運営担当が壇上に詰めかけ、シュク議員を地面に殴り倒した。議事堂内は再び混乱に陥り、公正発展党の議員たちに加え、人民の平等と民主主義党と共和人民党の議員たちもこぶしを振り上げ混乱に加わった。人民の平等と民主主義党のギュリスタン・コチイイト会派副代表と共和人民党でアンカラ選出のオカン・コヌルアルプ議員は眉を切るけがをした。
アンカラ選出のオカン・コヌルアルプ議員は眉を切るけがをした。
■流血騒ぎに
委員の列の前にある大理石の階段にも血痕が残っていた。長時間こぶしで殴り合っていた何人かの議員たちも負傷した。ボズダー副議長は一時休憩とした。騒動の後、トルコ大国民議会のクルトゥルムシュ議長が進行役を務めた
■アタライにまつわる意見は否決
議会総会では共和人民党の「憲法裁判所によるジャン・アタライ議員の議員資格はく奪に関する判決について一般議会の開催が必要だ」とする提案は退けられた。
■シュク議員とオザラン議員は戒告処分に
トルコ大国民議会で発生した喧嘩騒動ののち、ベキル・ボズダー副議長は5回にわたって進行を中断した。このなかで政党の会派副代表たちは議事堂の控室で会合を行った。トルコ大国民議会のヌマン・クルトゥルムシュ議長が加わると、総会が再開した。
クルトゥルムシュ議長は上品な言葉を使って議会を続ける必要があると述べた。野党側から「アルパイ・オザランに言ってください」との声が上がり、クルトゥルムシュ議長は会派副代表たちの合意をもとに罰則を読み上げると述べた。これにより、アフメト・シュク議員はその発言内容から、アルパイ・オザラン議員へもその行動を理由に戒告処分とすることが投票で認められた。
■こうして始まった
イスタンブル選出、トルコ労働者党のアフメト・シュク議員が話すなか、公正発展党のアルパイ・オザラン議員が殴りかかり、殴る蹴るの喧嘩に発展した。
■憲法 空を飛ぶ
騒動のさなか、議員たちは互いに文書や憲法書を投げつけた。
■初めて公正発展党の席に
善良党を離党し公正発展党所属となったイスタンブル選出のシェイタン・イズシズ議員は初めて公正発展党の席に座った。
■議会で流血事件を見たことはない、大変残念だ。
共和人民党のオズギュル・オゼル党首は地元マニサからアンカラを訪れ、骨折した足に医療用ブーツを履いて、収監中のハタイ選出のトルコ労働者党の国会議員、ジャン・アタライ氏の状況に関する国会の臨時会に参加した。オゼルは左足を骨折したことを伝え、「濡れた階段で滑ってしまい、足をくじいて左足の甲の骨を折ってしまった」と話した。
■クルトゥルムシュ議長に電話
オゼル党首は議会での喧嘩騒動ののち、トルコ大国民議会のクルトゥルムシュ議長に電話をかけ、発生した騒動への嫌悪感を伝え、「あなたがイニシアティブをとる必要がある」と述べて、議長役を求めた。オゼル党首は「私はこの議会で9年ものあいだ、会派副代表を務めてきた。この議事堂で多くのものをこれまで見てきたが、流血騒ぎはこれまで見たことがない。大変残念だ。女性への暴力は見たこともない。極めて恥ずかしい。問題の核心について個々に指摘するのは控えるが、今後は、あなた方が議会での暴言や侮辱、暴力がないようにとっていくあらゆるイニシアティブを共和人民党として支持していく」と説明した。
■アッバース議長と面会へ
オゼル党首は先日のパレスチナ自治政府のマフムード・アッバース議長が演説を行ったトルコ大国民議会総会に健康を理由に参加できなかったことを説明し、「このことは外交ルートを使ってアッバース氏に伝えてあり、明日には電話会談に臨むつもりだ。アッバース氏の滞在中、議会の団結を示せたことが大切だ」と話した。
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( 翻訳者:小林佑輔 )
( 記事ID:58516 )