インタビュー発言で騒動のディルルバさん、今度はエルドアン侮辱で裁判へ
2024年09月26日付 Hurriyet 紙
ディルルバ・カイセリリオウル氏(33)は、イズミルで街頭インタビューの際の発言で勾留され釈放されるも、「国民を憎悪と敵意に駆り立てた」罪で告訴され、7か月と15日間の懲役刑が下されていた。今回は大統領侮辱罪により4年8か月の懲役が請求されて法廷に立つ。裁判審理では検察は被告人に、大統領侮辱による刑罰を請求した。裁判所は、同氏の司法監察判断を取り消し、被告弁護人が弁護準備を請求したことを受けて審理を延期した。
イズミルでの街頭インタビューでインスタグラムのアクセス制限と動物法を批判したディルルバ・カイセリリオウル氏は、8月12日に勾留された。「国民を憎悪と敵意に駆り立てた」罪と「大統領を侮辱した」罪に問われたカイセリリオウル氏の勾留に対して弁護士のフセイン・ユルドゥズ氏が異議を申し立てたが、受け入れられなかった。2度目の異議申し立てにより同氏の侮辱罪による勾留は解かれ、海外渡航禁止令が出された。「国民を憎悪と敵意に駆り立てた」容疑で勾留中のカイセリリオウル氏を釈放するよう、再び異議申し立てがなされた。この異議申し立てにより、同氏は8月29日に釈放された。
ディルルバ・カイセリリオウル氏は、トルコ刑法216条第1・第2項及び218条により、報道を通して「国民を憎悪と敵意に駆り立てた」罪で最長6年の懲役刑の請求を受けて、9月3日にイズミル第35第一審刑事裁判所に出廷した。裁判所は、カイセリリオウル氏について「国民を憎悪と敵意に駆り立てた」罪が成り立たないことから無罪を決定した。同氏は「一部の公衆を公然と侮辱した」として懲役6か月を言い渡された。裁判所は、この行為が報道で放映されたため、トルコ刑法第218条に従って半分の割合で加重し9か月に引き上げた。裁判所はまた、1/6の期間は素行の良さを適用することで、刑期を7か月15日に減軽した。裁判官は判決の発表を延期した。
◾️大統領を侮辱した疑いで最大4年8か月の懲役を請求
イズミル共和国検事総局は、ディルルバ・カイセリリオウル氏について、今回は大統領侮辱罪により起訴状を作成した。カイセリリオウル氏は今回の件で、1年2か月~4年8か月の懲役を請求されて、第62第一審刑事裁判所に出廷した。報道関係者は法廷内に入れなかった。審理には在宅起訴の被告人と弁護士が出席した。被告人のディルルバ・カイセリリオウル氏は、思想の自由の範囲で自身の考えを話したと述べた。弁護士らはカイセリリオウル氏の無罪を主張した。
検察は、起訴状内にあるように、被告人が大統領侮辱による刑罰を受けるよう請求した。裁判長は、ディルルバ・カイセリリオウル氏の司法監察判断を取り消し、さらに被告人弁護士が弁護準備を請求したことを受けて審理を延期した。
◾️「表現の自由の範囲内で批判を表明しました」
裁判のあとカイセリリオウル氏は「表現の自由の範囲内で批判を表明しました。今でも自分の考えを支持しています。裁判は進行中です。この事件は個人的なことと捉えられ、何ら問題ないかのように私について進められている。無罪になると信じており、自分の考えを支持します。弁護士が動向を追っています。国民としての権利を可能な限り訴えます。法は真実の側に立つものと最後まで信じています。」との声明を発表した。
カイセリリオウル氏の弁護士であるフセイン・ユルドゥズ氏も、「最初の裁判審理で、検察官は訴因の点でディルルバ氏の処罰を求めました。私たちも被告人弁護の時間を求めました。裁判は延期されました。第一審の判決が 1 か月などの短期間で新たな審理が行われることはあまりありません。私たちはディルルバ氏が無実で無罪になると信じています。」と述べた。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:今田杏佳 )
( 記事ID:58728 )