レバノン:ベイルート南部ダーヒヤ地区がイスラエルによる爆撃にさらされる(2)
2024年10月05日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ベイルート南部郊外の上空に立ち上る爆発と煙…レバノン第2の都市ではレバノンのハマース司令官がイスラエルによって殺害、ヒズブッラーは交戦を続ける
【ベイルート:諸通信社】
イスラエルの『イェディオト・アハロノト』紙は、イスラエル軍がレバノン第2の都市と目されるトリポリ市を、ヒズブッラーとの戦争が始まって以来初めて爆撃したと報じた。
ヒズブッラーは土曜日未明、対イスラエル国境地帯でイスラエル軍に「撤退を強いた」ことを明らかにしたのち、同地で同軍との交戦に突入したと発表した。
ヒズブッラーは声明で次のように付言した。「2024年10月5日土曜日午前1時50分、敵国イスラエルの兵士らが再びアダイサ行政区の周辺領域に向けた進軍を試みたところ、イスラーム抵抗勢力のムジャーヒディーンがこれに対抗した。交戦は現在も継続中である」。
金曜日には、イスラエルがレバノン南部にある病院の中庭部および周辺部を攻撃した結果、医療スタッフ9人が負傷し、彼らのうちほとんどが重傷を負った。
レバノンの国営通信(NNA)は、「イスラエルの砲弾計4発が、南部のビント・ジュバイル市にある殉教者サラーフ・ガンドゥール病院の中庭部および周辺部に命中した」と報じた。
一方サラーフ・ガンドゥール病院の運営部は声明で、同病院が「敵から避難の警告を受けたのち、シオニストによる野蛮な砲撃を受けた」と述べた。さらに声明は、「この砲撃により、医療スタッフと看護スタッフあわせて9人が負傷し、そのほとんどが重傷を負った」と付け加えた。
さらに同運営部は「この残忍な攻撃の結果、病院は医療、看護、その他のスタッフのほとんどが避難したが、運営部は病院の財産を守るために多くの労働者を残した」と述べた。
さらに声明は「病院運営部は、避難プロセスに際して、スタッフの避難、そして彼らの安全の確保に貢献したすべての人々、特にレバノン赤十字社とレバノン民間防衛隊に感謝する」と続けた。
金曜日の早朝には、レバノン南部のマルジュアイユーン政府病院は、イスラエルが同病院を標的にするとの脅迫を受けて医療スタッフが非難し、軍が市民に対し数十の村から「ただちに」避難するよう警告したのち、運営を停止した。
今年9月23日から、イスラエルはレバノンに対して、約1年前にヒズブッラーとの衝突が始まって以来「もっとも暴力的かつ広範な」攻撃を開始している。レバノンの公式統計によると、イスラエルによる攻撃の結果、多数の女性と子供を含む1,156人が死亡、3,191人が負傷し、120万人以上が避難を余儀なくされている。
イスラエルは、2023年10月8日にレバノン系諸派閥およびパレスチナ系諸派閥、特にヒズブッラーとの衝突を開始して以来、レバノンで2,011人を殺害し、9,535人を負傷させている。
一方オブザーバーらによると、イスラエルで人的・物的損失に関する暗雲が生じるなかで、同国全土では、ヒズブッラーがロケット弾、無人機、迫撃弾によって軍事拠点や入植地を激しく攻撃していることをうけて、前例のないペースでサイレンが鳴り続けている。
レバノン系・パレスチナ系の諸派閥は、イスラエルが2023年10月7日以来、ガザ地区で、米国による明確な支援のもとで犯しているジェノサイドを停止するよう要求している。イスラエルによるジェノサイドは、大規模な破壊と致命的な飢饉のなかで、そのほとんどが子供と女性である138,000人以上のパレスチナ人を死傷させたうえ、10,000人以上を行方不明とさせた。これはすでに世界最悪の人道的災害の一つとなっている。
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( 翻訳者:福田陸人 )
( 記事ID:58824 )