シェンヤシャルとユルドゥズ両家、スルチ襲撃事件の和解
2024年10月28日付 Medyescope 紙
シェンヤシャル家とユルドゥズ家は、和解した。ジェブデト・ユルマズ副大統領、公正発展党と人民の民主と平等(DEM)党の国会議員が参加して両家の和解式が行われた。
■シェンヤシャル家とユルドゥズ家は和解
シャンルウルファ県のスルチで2018年6月14日に選挙活動で商店街の自営業者を訪問していたイブラヒム・ハリル・ユルドゥズ前公正発展党議員の護衛とシェンヤシャル家の間で起こった喧嘩は、武器を用いての衝突に変わった。選挙活動中に発生した喧嘩は、シェンヤシャル家のハジュ・エスヴェト(66)、アーディル(25)とジェラール・シェンヤシャル(45)及び上記の公正発展党議員の兄であるメフメト・シャー・ユルドゥズが死亡する原因となった。
喧嘩の中で父親と2人の弟を失った収監中のファドゥル・シェンヤシャル、[ユルドゥズ側の]エンベル・ユルドゥズ、メカイル・シムシェキとジェラル・ユルドゥズは、一昨日、マラティヤ第3重罪裁判所で行われた審理の際に6年を経て仮釈放となった。
シェンヤシャル家とユルドゥズ家の間の敵対関係を解消するため公正発展党と人民の民主と平等党が乗り出した。シャンルウルファ県庁は、両家の間の敵対関係を解消するために和解式を行った。
エイユビイェ国立庭園で行われたプログラムではジェブデト・ユルマズ副大統領、ハサン・シュルダク県知事、ベキル・ボズダー議員、アブドゥルハミト・ギュル議員、スル・スレイヤ・オンデル議員、アフメト・テュルク議員、カスム・ギュルプナル議員、公正発展党と人民の民主と平等党の議員達、オピニオンリーダー、市民団体の代表者、シェンヤシャル家とユルドゥズ家の代表者たちが一堂に会した。
■「傷がどれほど大きかったとしても、未来の世代に禍根を残してはいけない。」
プログラムで話したユルマズ副大統領は、和解の重要性を強調した。人道的な目的によって集まったと述べて、次のように続けた。
「あらゆる素性を超えて、人としてとても人道的な目的で私達は集まった。何年も前にスルチで私達全員をとても悲しませる事件が発生した。両家もこの事件が原因で大きな痛みを感じ、大きな悲しみが生じた。もちろん何も起こらないことを望んでいた。発生した大きな悲しみを、ある時点で軽減し、さらに大きな痛みが起こるのを妨げることはもちろん可能である。今日はこの目的で私たちはここにいる。この両家が見せた寛大な振る舞いを見届けるために私たちはここにいる。痛みがどれほど大きかろうと、未来の世代に禍根を残してはいけない。」
■シェンヤシャル家とユルドゥズ家は未来を見ることに成功した
ユルマズ副大統領は、和解のために多くの常識を弁えた人が長い間努力をしてきたと述べた。同副大統領は、シェンヤシャル家とユルドゥズ家間の和解を成し遂げた公正発展党と人民の民主と平等党の議員たちに感謝した。
「この努力を見せた特に4人の存在に触れたいと思う。トルコ大国民議会ベキル・ボズダー副議長、スル・スレイヤ・オンデル氏、アブドゥルハミト・ギュル会派副代表、マルディン広域市アフメト・テュルク市長である。この4人は本当にとても重要な尽力を見せた。あなた方を前にしてこの全員に感謝する。この和解をした両家は寛大さを示した。過去の牢獄に囚われる代わりに未来を見ることに成功した。私達の文明は和解と兄弟愛の文明である。私達が信じているアッラーは、恵み保護するものである。大統領閣下も両家に感謝と幸運を祈っていることを伝えている。シェンヤシャル家とユルドゥズ家の犠牲者の冥福を今一度祈っている。この和解、この美しい行為が彼らの魂に現れるよう祈っている。和解をしたことは疑いなくとても重要であり、とても価値のあることである。ただ、少なくともこれ同様に価値のあることは和解を続けることである。両家の間のこの和解が恒久的なものとなるものと信じている。この和解は、両家だけでなく社会の安寧、一体性、平安のために極めて意味があることである。」
この後、人民の民主と平等党の[フェリト・]シェンヤシャル国会議員とユルドゥズ前公正発展党国会議員が舞台に上がった。シェンヤシャルとユルドゥズが握手をして両家の和解が成立した。
■痛みが生まれたこの過程で和解は痛みの軟膏である。
その後、マルディン広域市アフメト・テュルク共同市長も両家に感謝を伝えた。テュルク市長は、「ジェブデト・ユルマズ副大統領、ベキル・ボズダー氏、アブドゥルハミト・ギュル氏、スル・スレイヤ・オンデル氏に感謝している。もちろん、痛みが発生したこの過程で平和は傷の軟膏である。」と述べた。
複数のスピーチに続いて和解の儀式は、参加者に提供された食事の後に終了した。
◾️何があったのか
シャンルウルファ県のスルチで2018年6月14日に選挙活動で商店街の自営業者を訪問していたイブラヒム・ハリル・ユルドゥズ前公正発展党議員の護衛とシェンヤシャル家の間で起こった喧嘩は、武器を用いての衝突に変わった。
イブラヒム・ハリル・ユルドゥズの選挙活動中に発生した喧嘩は、シェンヤシャル家のハジュ・エスヴェト(66)、アーディル(25)、ジェラール・シェンヤシャル(45)及び上記の公正発展党議員の兄であるメフメト・シャー・ユルドゥズが死亡する原因となった。
職場での襲撃の際にアーディルとジェラール・シェンヤシャルは死亡した。病院でも続いた襲撃ではハジュ・エスヴェト・シェンヤシャルが再び襲撃を受け病院で死亡した。事件の際に時のウルファ県知事のアブドゥッラー・エリン、スルチ郡知事のタルク・アチュクギョズ、時の食糧・農業・畜産大臣のアフメト・エシュレフ・ファクババ、県警察本部長も病院の中庭にいた。さらに病院の監視カメラの録画にも手が加えられていたことが判明した。事件で負傷したファドゥル・シェンヤシャルは逮捕された。
[ハジュ・エスヴェトの妻]エミネ・シェンヤシャルとその息子フェリト・シェンヤシャルは2021年3月9日にシャンルウルファ裁判所前で正義の座り込みを始めた。
襲撃に関連して行われた裁判では、2021年4月2日にファドゥル・シェンヤシャルに37年9ヶ月の懲役刑が下される一方で、エンベル・ユルドゥズには「不当な扇動のもと罪を働いた」との理由で18年の懲役刑を受けた。
ジェラール・シェンヤシャルを殺害し、アーディル・シェンヤシャルを負傷させた罪で5年にわたり逮捕命令があったにもかかわらず、逮捕できなかったイブラヒム・ユルドゥズが2023年3月に手術を受けた病院で死亡したのが判明した。
フェリト・シェンヤシャルは、2023年5月14日の総選挙で緑の左派党から出馬しシャンルウルファ国会議員となった。
(関連過去記事)
スルチでPKKの襲撃、AKP議員の兄ら4名死亡
2018/6/15 Milliyet紙
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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:58964 )