数百万人の人々の関心を集める2025年に適用される[月額]最低賃金を決定するための交渉が来月から始まる。経済運営陣が明らかにしたインフレ目標に応じた新たな最低賃金は2万トルコリラ(TL)(約8万9850円)から2万4000TL(約10万7791円)の範囲内に収まる。
最低賃金決定委員会は12月初頭に集まる。今年は中間引き上げされなかった最低賃金への期待が、インフレ目標の引き上げに伴い高まる中、ヴェダト・ウシュクハン労働・社会保障大臣は、「全員が納得のいく額で合意に達することを期待している。」との声明を発表した。
最低賃金の議論の中で重視する側面が「現実のインフレに即したものか、目標インフレに応じて引き上げるべきか」である中、中央銀行は賃金が「将来を見据えた物価スライドを行うべき」と勧告していた。政府は、目標インフレ率ではなく、実際のインフレ率に応じて年金増額を行う準備を進めており、最低賃金でも過去のインフレ率を考慮することが予想されている。
◾️飢餓ラインより下
野党は現在手取り1万7002TL(約7万6342円)である最低賃金が最低でも3万TL、7月の中間賃上げ2万8000TLで、[最終的に]3万2000TLから3万5000TLの範囲を要求しているが、政府は12月に発表されるインフレ統計に注目するだろう。トルコ統計局の消費者インフレデータをはじめとして、公的機関や省庁からの生計と経済に関するデータが第二回委員会会議で議題に挙がり、上昇率が発表されると予想されている。
政府のインフレとの取り組みを示す最低賃金審議では、トルコ労働組合総連合が明らかにした飢餓・貧困の基準、独身労働者の生活費も議論される予定だ。10月末の時点で、これらの数字は、4人家族の飢餓ラインが2万432TL、貧困ラインが6万6553TL、独身労働者1人の月々の生活費は2万6527TLとされた。手取りの最低賃金の数字は依然として飢餓ラインを下回っている。
◾️インフレ予想によると2万4483TL
経済界でささやかれる最低賃金25%引き上げの可能性が実現すれば、2025年1月時点で新たな最低賃金は2万1250TLとなる。中間計画のインフレ目標41.5%で引き上げを行えば、2万4000TLを超えることになる。中間計画における2025年のインフレ目標17.5%で引き上げられれば、1万9975TLに上昇する。ただし、この場合、最低賃金は飢餓ラインを下回ることになる。中央銀行の年末インフレ予想44%の率で引き上げが行われた場合、手取り額は2万4483TLに達する。
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( 翻訳者:大屋千寛 )
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