「オジャランは在宅監禁?」にエルドアンはどう答えたか
2025年01月15日付 Hurriyet 紙

エルドアン大統領は昨日、公正発展党の国会議員一派で行われた朝食会に参加した。

同氏は党大会まで国会議員らとグループ単位で会談する予定だ。それでは、議員らからエルドアンにどのような質問が最もなされたのか?議員らが最も重きを置いた話題はどのようなものだったのだろうか?

■オジャランの質問

新プロセスが始まっていなかったら、この質問には間違いなく経済と生活費の高騰と答えただろう。しかし、議員らは最も新プロセスについて焦点を当て、エルドアンに対して、このプロセスの結果としてオジャランに自宅監禁が適用されるのか、それともされないのかという質問をした。プロセスに関しては肯定的な評価が下された。一方で不安を表明する者たちもいた。南東部の議員たちはというと熱烈な支持を寄せた。

これらを一つずつ共有していく。しかし、まずエルドアン大統領のプロセスに関する評価をお伝えしたい。その後オジャランに関する質問へ与えられた回答を示す。

■スピーチの4つの側面

エルドアン大統領のスピーチにはいくつかの側面がある。しかしそれらは全て互いに絡み合った輪のようになっている。

1- エルドアンは『テロのないトルコ』の目標を説明した。「2025年でテロは終わるだろう」と述べている。政府のテロ対策は非常に強固であると強調した。「テロを全ての側面と要素ごと永遠に歴史に葬りたいと我々は考えています。」と述べた。

■武器の放棄

2- このプロセスがある交渉プロセスではないということを説明した。「テロ組織の解体はトルコだけではなく、イラクやシリアでも武器が無制約、無条件に引き渡される必要がある。」と述べた。

■陣営の強化

3- エルドアン大統領は、8月30日の演説と10月1日の大国民議会開会式にて行った演説で、内部陣営が強化されることに言及していた。議員との朝食会においても同様のことを強調した。

■地域平和の状況

新プロセスに関して、議員たちも発言の機会を得て自分たちの意見を述べ、質問を行った。南東部の議員たちは新たな平和への希望が生まれたことが、地域で熱烈に歓迎されたと伝えた。新しいプロセスに地域住民の大きな支援が得られたことを強調した。プロセスの反対意見は話題に上らなかった。

■最も聞かれた質問

しかしいくつかの質問が聞かれた。最もよく聞かれた質問はというと、オジャランの自宅監禁についてだった。この質問は社会のこの問題への感受性を反映するという観点から重要であるだけでなく、エルドアン大統領の回答が、同時にプロセスの重要なマイルストーンの一つを構成している。

■自宅監禁はない

エルドアンは「自宅監禁だとかそういうものはない。彼自身が出所を望んでいない。こんな話はどこから出てきたのか?恩赦なんてものはない。赤ん坊の殺人犯に恩赦はない。」と答えた。法務大臣のユルマズ・トゥンチに向かって「これを国民に説明しなさい」と話した。

エルドアンが今日行う予定の公正発展党会派会合で、新プロセスに関する重要な発表をすることが期待されている。

■我々の殉職者と退役軍人たち

エルドアンは、再び目標が「テロのないトルコ」であることを強調した。やはりこのプロセスの最も重要な繊細さの一つに言及し、「殉職者のご家族や退役軍人の皆さんの感受性を大切にする。彼らを不快させることは一切許さない。」と述べた。

エルドアン大統領は、36年前にPKK(クルディスタン労働者党)がハッキャーリ県ユクセコヴァ郡イキヤカ村で行った虐殺で命を失った人々の遺族と面会した。エルドアンのこの面会は、一つのメッセージとして解釈された。

■テロのないトルコ

エルドアン大統領が言及するように「テロのないトルコ」という目標が社会で良く理解される必要がある。なぜなら、過去に進めてきたプロセスの観点からも、オジャランとPKKに対する社会の感受性から生じるいくつかの懸念や心配は普通のことだからである。これらに関して、透明で説得力のある方法で社会に説明される必要がある。

新たなプロセスの政治的側面は強力に進展した。しかし、「テロのないトルコ」という目標のためにはその背後に社会的な支持を置く必要がある。

■ハカン・フィダンはアラブの大臣らに何を言ったのか?

トルコは、シリアの新政権がアラブ世界と国際社会コミュニティによって認められ、システム統合がなされるために舞台裏で並外れた作業を進めている。
リヤドでシリアに関するある会議が行われた。シリアの新政権のシャイバーニー外相がこの会議へ参加することは新政権の正当性の観点から重要なものになった。

トルコは、アラブ世界へ「もしシリアがアラブの共和国なら、もしシリアをイランに奪われたくないのなら、支持しなさい」と話している。西側諸国に対してはというと、統一された民主的なシリアを支援することが国際社会にとって有益であることを説明している。ハカン・フィダン氏は、特にシリアのPKK-YPGの存在に関して、アラブの大臣たちの目をじっと見ながら次のようなメッセージを伝えた。

■PKK-YPGが誠実なら

―武装組織を国軍の傘下に統合しようとしている。
―もしSDG(シリア民主軍)が中央政府との統合努力に誠実であるならば、解体されたことを明らかにすべきである。
―シリアにおいていかなるテロ組織も存在するはずがない。

■PKK構成員はシリアを放棄するべき

―トルコとしてはPKKとその分派についての我々の感受性と期待を明確にしている。彼らは国を出ていくべきだ。
―トルコはシリア北東部の基地の管理に関して、さらに多くの責任を引き受ける準備ができている。

リヤドでは、シリアの最優先事項が復興であるという点で合意がなされた。
シリアは再び灰の中から蘇ろうとしている。一方、トルコはこのプロセスに歴史的な影響を与えている。

■ジャウラーニーはトルコに来るのか

シリアに関する裏情報を1つ共有したい。トルコで教育を受けたシリアの外務大臣シャイバーニーが今日アンカラに来る。また、シリア反体制派のリーダーであるアフマド・アッ・シャルウ(ジャウラーニー)が最初の訪問先をトルコにすると言われている。この訪問は非常に近い将来に行われるとされている。しかし、アフマド・アッ・シャルウが最初の訪問先をトルコに選びたいと考えているのは事実だが、すぐではない。

■国家元首ではない

では、いつ来るのか?アフマド・アッ・シャルウはまだ正式な国家元首ではない。反体制派のリーダーとしてこの役割を事実上担っている。
アフマド・アッ・シャルウは現在、制憲議会を構成しようとしつつ、一方で暫定政府を設立しようとしている。暫定政府設立については進展が見られるものの、制憲議会を構成する作業はそれほど簡単ではない。

■制憲議会

シリアの新しい憲法を準備し、国を選挙に導く制憲議会は、1500人で構成されることを目指している。アフマド・アッ・シャルウは、この制憲議会が包括的であり、シリアのあらゆる要素を代表するものとなるよう努めている。

■割り当て枠が設定された

1500人で構成される制憲議会が形成される際、アラブ人、トルクメン人、クルド人、ヌサイリ派、ドゥルーズ派、キリスト教徒、その他のグループに割り当て枠が設けられた。各グループが内部で選出を行った後、アフマド・アッ・シャルウは制憲議会の招集を行い、定めた日程で会合を開くよう呼びかける予定である。

■国家元首が選ばれる

制憲議会がアフマド・アッ・シャルウを国家元首に選出することが期待されている。その後、彼は正式な肩書きを得ることになる。アフマド・アッ・シャルウは正式に「国家元首」の称号を得た後、トルコを訪問する予定である。

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( 翻訳者:橋本響 )
( 記事ID:59500 )