トルコがシリアに軍事行動をする可能性は?
2025年01月19日付 Cumhuriyet 紙

イスタンブル・アイドゥン大学教員で退役准将のオズギュル・トール博士は、オメル・ジャン・タルの番組「第二の視点」でシリアの最新情勢とトルコが今後どう動くかという可能性についてコメントした。

イスタンブル・アイドゥン大学で退役准将のオズギュル・トール博士は、オメル・ジャン・タルの番組「第二の視点」でシリアの最新情勢とトルコがこれからどう動くかという可能性についてコメントした。トール博士は番組内で、「いかなる国家も、自らを脅かすテロ組織を国境に置いておかない」と述べ、トルコは自国の安全保障について決断を下さなければならないと強調した。

■タハリール アル・シャームとクルド人民防衛隊(YPG)の間に合意があるのか?
番組では、シリア暫定政府であるタハリール アル・シャームとテロ組織YPGに対して、いかなる姿勢で臨むべきかとの質問がなされた。トール博士は「過去、両者の衝突はみられなかった。最近では、なんとなく、両者の間に衝突を避けるための秘密裡の合意があるように思える」と述べ、ただし、これについては不確実だとつけ加えた。

■シリアは分裂するか?

トール博士は、シリアが三分割されるのでは?との憶測には「先進国は民族グループごとに分断しているか?」と問い返し、そうしたやり方は人権と民主主義の原則と相容れないと主張した。同博士は、「シリア国内に暮らす人々のためにも、テロリスト集団の地域からの排除という意味でも、そしてその他の観点からも、シリアが統一的な構造をもつことが望ましい」と述べ、シリアが統一的な構造を実現することの重要性を強調した。

■「トルコは自国の安全保障について独自の決断を下さなければならない」

トール博士は、米国の対シリア政策の不確実性についても触れた。同博士は、トランプ政権発足後、状況がどうなるかは不明だとし、「トランプ大統領がどう決断するかはわからない」と述べた。一方、トルコは自国の安全保障について他者の判断を待っていられないと強調し、「トルコは自国の安全保障について自ら決断しなければならない」と述べた。

また、トルコ独立戦争の例を挙げながら、トルコは歴史を通して自国の独立と安全保障のために闘ってきたことにも言及した。

■作戦は実行されるのか?

トルコ軍がシリア北部での武力作戦を計画しているという噂が数カ月前からあった。トール博士はこの憶測について直接的なコメントを避けたものの、「トルコは(ユーフラテスの盾作戦、オリーブの枝作戦、平和の春作戦を)完遂させなければならない」と述べ、作戦の可能性を否定しなかった。また、地上作戦の可能性について次のように述べた。

「これまでトルコ軍の作戦は成功している。つまりテロリストを排除し、その土地を安全な場所にしてきた。しかしそれで十分かと問われれば、そもそもトルコの計画はより深く、かつ全域にわたる作戦行動を行うことだった。これはまだ完了できておらず、完遂させる必要がある」。

トール博士は、アイン・アル=アラブ地域の重要性に注目し、「アイン・アル=アラブ地域は実際、非常に重要な場所だ。この場所は結果を左右する鍵だと言える」と発言した。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:59528 )