イマムオール、ニューヨーク・タイムズに寄稿「勝てないとわかったエルドアン」
2025年03月28日付 Medyescope 紙
身柄を拘束されスィリヴリ拘置所に送致されたイスタンブル広域市のエクレム・イマムオール市長がニューヨーク・タイムズに寄稿し、彼が経験してきたこととトルコの政治情勢について評価した。「私はトルコ大統領の最大のライバルであり、身柄を拘束された」という見出しで発信されたこの記事で、イマムオール氏は身柄拘束の経緯から、司法の手で政治がデザインされたことに至るまで多くのテーマについて語った。
イスタンブル広域市のエクレム・イマムオール市長は、スィリヴリ拘置所からニューヨーク・タイムズに「私はトルコ大統領の最大のライバルであり、身柄を拘束された」という表題で寄稿した。
■「テロ作戦の光景と遭遇した」
イマムオール氏は、3月19日朝に身柄を拘束されたことについて、彼が遭遇した保安措置は市長に対するものではなく、テロの容疑者に対するものだったと語っている。
イマムオール氏は「眼の前の光景はトルコ最大の都市・イスタンブルで選ばれた市長に対してではなく、テロの容疑者に対する作戦を想起させるものだった」と語り、作戦の政治的な色合いを強調した。
■「勝てないと悟り、司法が介入した」
イマムオール氏は、AKP党首であるレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領が選挙で勝てないと気づき司法をこの動きに介入させたのだと強調し「エルドアン氏は選挙で私を上回れないと悟り、政敵の信用を失墜させ除外するために別の方法を採用した」と述べた。
自身に対する収賄、汚職、犯罪組織の運営、テロ組織への支援の容疑について「重いが事実無根」としたイマムオール氏は、職務停止は自身だけでなく市民の意思に対する介入だと述べた。
■「共和国は恐怖政治に変わった」
イマムオール氏は、トルコで民主主義的な組織がここ数年で機能を停止していると指摘し、メディアの沈黙や自治体への代理人の任命、大国民議会の無効化や司法の政治化に至るまで数多くのトピックにおける変化が権威主義化を盤石なものにしていると語った。イマムオール氏は「トルコで自由は急速に失われている」として、トルコが「恐怖共和国」に変わっていると述べた。
■「これは私だけでなく全員にとっての問題だ」
イマムオール氏は、自身の身柄拘束がトルコの権威主義化のプロセスにおける新しい段階を代表すると述べ、記事を以下の文言で締めた。
「トルコのように長い民主主義の歴史を持つ国が、もはや権威主義に逆戻りするという難しい道に入ってしまっている状態だ。これは私だけでなく全員にとっての問題だ」
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( 翻訳者:神谷亮平 )
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