イスタンブル市、「6つの嘘と真実」発表
2025年03月30日付 Cumhuriyet 紙
イスタンブル広域市は、世論に映し出された疑惑について新たに声明を発表した。この声明は、世論は真実を反映していないとするもので、誤情報を正す文書を示して疑惑に反論している。
イスタンブル広域市が発表した声明「嘘と事実」は、世論に映し出された疑惑を次のように否定している。
■ペーパーカンパニーという嘘…事実は国民のための「都市改造」事業
嘘:イスタンブル広域市の持ち株企業であるKİPTAŞ社が、建設会社社長アリ・ヌホール氏のペーパーカンパニーに21億トルコリラの大盤振る舞いをしたという嘘
真実:世論でやり玉に挙げられている事業は、第2018/11406号閣僚会議決定された「危険地域」と指定された地区において、危険地域内や周辺の非耐震性建造物に居住する市民を安全な建造物に移住させることを目的としている。具体的には工事進行中の「都市改造」事業における予備住宅事業にあたるものである。同事業の入札は公共入札法第4734号第21/b条に従いKİPTAŞ社がEKAP(電子公共調達プラットフォーム)システムを通じてデジタルで実施した。21億トルコリラ(消費税は含まない)で最低価格入札したIstcon建設投資会社との間で、2024年2月13日に「一括請負」建設契約が合意された。この契約の枠組みで、108561.61平米の建築物が承認済建築許可に基づいたターン・キー契約前提で引き渡されることになる。
契約に基づいて、銀行保証書を担保に10%の前金が支払われた。この前金は毎月の進捗支払額で相殺される。前金のうち、現在までに7739万5964.97TLは請負業者によって相殺されている。
請負業者は、完工済分の代金を建設工事一般仕様書規定第4734号に沿って、月次進捗支払いとして請求書に応じて支払う。2025年2月末現在、請負業者に対して13回の進捗支払いがあり、その累計額は5億9672万5844.72トルコリラ(に消費税を加えた額)である。
■「カーボンニュートラルビジョンの下、電動アシスト自転車に置き換える」
嘘:İSBİKEの自転車が撤去されたという嘘
真実:イスタンブル市のシェアサイクルシステムİSBİKEは、2017年に初めてサービスが開始された。ポート300箇所、車両2700台で運用されてきたが、2019年までに車両の耐用年数が尽きたことに伴い、定期メンテナンスが行われ、それにより車両数は徐々に減少した。2024年9月から2025年12月までに既存車両1250台分の維持修繕費は8800万トルコリラに達した。
ポートの煩雑さ、更新されるハードウェア、ソフトウェア、電設工事・設置時の現場工事が避けられないといった課題が、新しいシステムの必要性につながった。そうした背景により、イスタンブル広域市は、イスタンブル気候変動行動計画の目標とされる2050年カーボンニュートラル・ビジョンに沿って、主に電動自転車を使用するシステムを構築した。このシステムでは、電動アシスト自転車・ポートレス事業モデルが採用される。この新たなシェアサイクル・システムは、e-スクーター事業モデルと同様、認可企業がイスタンブル広域市の監督下で事業を運営する。このシステムへの投資費用は企業が負担する。そのためイスタンブル広域市の予算を圧迫することはない。イスタンブル広域市シェアサイクル運営リビジョン案は2025年3月12日付でイスタンブル広域市議会を通過した。事業は2025年上半期に実施予定。まずは電動アシスト自転車4000台規模でサービスが展開される計画。その後、需要に応じて展開エリアや運用台数を拡大する。
■「個人情報が転売されているという嘘…取得情報は公共サービスにのみ利用される」
嘘:イスタンブル・セニン(あなたのイスタンブル)アプリは個人情報を収集・転売している
真実:アプリ「イスタンブル・セニン」は、イスタンブル市民のために2021年に開発された「スーパー・アプリ」で、このアプリひとつでイスタンブル広域市のあらゆるサービスにアクセス可能。アプリ登録時に取得されるデータ(姓名、国民番号)は公共サービスのためだけに使用される。かつ、データはユーザーの明確な同意、説明と個人情報保護法の条文に同意したうえで取得される。データは、内務省人口・国民局とも連動した方法で認証される。このデータはいかなる個人、機関、企業にも有料ないし無料で譲渡されない。
■「有権者は操られているという嘘…人工知能は公共サービスの開発・改善に用いられる」
嘘:人工知能ソフトウェアが有権者の行動を操作している
真実:人工知能によるシステムは、公共サービスの開発・最適化・改善を目的として、分割・統合・意味づけされた自治体サービスデータのみを扱う。イスタンブル広域市では、有権者の投票行動に影響を与えるようなデータ分析は行われていない。
■「データが転売されているという嘘…データは広域市データセンターで保管」
嘘:イスタンブル広域市が米国にデータを転売
真実:2019年、米国合衆国貿易開発庁(USTDA)からイスタンブル市に支払われた500万ドルの助成金は、もっぱらソフトウェア・サービスを対象としたもの。同じ年にガズィアンテプ広域市とエネルギー天然資源省もこの助成金の支援を受けている。また、このデータ分析はイスタンブル広域市がおこなった。使用されたサーバーもイスタンブル広域市保有のもので、データは市のデータセンターで保管される。いかなる個人データも米国に流出しない。
■「政治目的でデータが利用されるという嘘…イスタンブル広域市はサービス向上のためにのみデータ活用」
嘘:個人データが分析され、政治目的に使用されるという嘘
真実:イスタンブル広域市は、サービス向上のためにのみデータを活用する
公共交通計画や災害管理、省エネ、インフラ事業に至るまで、多様な分野でデータに基づく意思決定プロセスが実行されている。ただしこれらのプロセスのいずれでも政治的目的のために個人情報が分析されることはない。
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:59895 )