シリア:国内でトルコ発行「クレジットカード」の流通が加速
2026年09月05日付 al-Watan 紙


■トルコからの商品購入用カード、消費を支える仕組みはシリア経済の不均衡を深めるのか

【ダマスカス:本紙】

近ごろSNS上では、シリア人がトルコの通販サイトで商品を購入し、カードを利用して決済やシリアへの配送手続きを行えるサービスの広告が広がっている。これは、海外からのオンライン購入に伴う制約の一部を軽減する新たな仕組みであり、決済、購入、配送の中心的な役割を仲介企業が担っている。

一見すると、こうしたサービスは、シリアの消費者がトルコの電子商取引市場を利用しやすくする手段にみえる。しかし決済の仕組み、資金の出所、発生する手数料に加え、これらの取引がどの程度、規制や監督の枠組みに従っているのかという点は、経済・金融面でさまざまな疑問を投げかけている。特に、国境を越える決済や購入において、デジタルな手段への依存が高まるなかで、その重要性は増している。

この点について、ハマー大学経済学部で金融・銀行論を専門とするアブドゥッラフマーン・ムハンマド教授は、シリアのデジタル環境では、消費形態に顕著な変化が生じていると指摘した。それは、従来の決済や配送の障害を乗り越え、シリアの消費者がトルコの電子商取引プラットフォームを利用しやすくする仲介サービスの普及に表れているという。

金融システムの歪みを映し出す変化

ムハンマド氏は、この現象について、一見すると、国内市場ではもはや供給されなくなった商品への需要の高まりに自然に対応したものにみえるが、その本質は、シリアの金融・銀行システムの構造的な歪みを反映していると説明した。

消費面での解決策を提供する一方、既存の制度の外で営まれる経済活動を定着させており、資本の流れ、通貨主権、競争の公平性、経済政策手段の有効性に関わる深刻な問題を提起しているという。

サービスが消費に及ぼす影響

ムハンマド氏は、トルコのサイトを通じた購入・決済サービスの普及がもたらす経済的影響について、2つの水準から分析できると述べた。

第一は、消費と個人の生活の豊かさに関わる影響である。こうしたサービスは、シリアの消費者にとっての選択肢を広げ、国内市場では手に入らない商品や、国内ではより高い価格で販売されている商品の購入を可能にすることで、当面の消費上の利益をもたらす。

また、これらのサービスは国内の商人との間に間接的な競争を生み出すものの、その競争は対等ではないと指摘した。こうした経路を通じて輸入する者は、正規の手続きによる場合のように、関税、税金、許認可に伴う負担を負わないためである。

外貨の流出と国内生産の弱体化

一方マクロ経済の水準では、主要な影響は総じて否定的なものになると、ムハンマド氏は説明した。もともと外貨不足に苦しむシリアにおいて、こうした経路は、正規の金融システムを通さない外貨の流出、とりわけドルの流出を引き起こしているという。

同氏の見解によると、こうしたサービスは通貨の二重構造を定着させ、公式為替レートと並行市場の為替レートの乖離を拡大させることにもつながる。価格設定と決済が、中央銀行の管理の枠外で行われるためである。

また税・関税収入の基盤を弱めることにも言及した。商品が個人送金を利用した取引や直接配送を通じて国内に入る一方、国庫にはそれに伴う関税などの収入がもたらされないためである。さらに、非正規の方法で輸入された商品が市場にあふれることで、国内産業は価格面での競争が難しくなり、国内生産が損なわれるという。

銀行業務をめぐるリスク

銀行業務や規制上のリスクと課題、さらに管理と保護に必要な対応について、ムハンマド氏は、経済・銀行業務上のリスクは、まず為替や送金に関する法規制をすり抜けることから生じると説明した。

こうした取引は、仲介業者や国外の口座を通じ、正規の銀行システムから切り離された形で行われている。このため、外貨がいかなる監督も受けずに流出し、中央銀行の外貨準備管理能力が弱まるという。

同氏は、資金洗浄やテロ資金供与もリスクに含まれると指摘した。正式な記録がなく、資金源を追跡できず、送金の仕組みも不透明であるため、こうした経路が資金洗浄や不審な送金に利用されやすくなるという。

また、消費者保護の欠如にも言及した。詐欺や商品の不適合、配送の遅延が生じた場合、国内には責任を問うことのできる主体が存在しないと説明した。仲介業者が、明確な国内法の枠組みの外に置かれているためである。

ムハンマド氏はさらに、為替レートや変動する価格設定に伴うリスクも指摘した。仲介業者は非公式の為替レートに基づいてサービス料金と手数料を設定しているため、消費者が大きな損失を被るおそれがあるという。また、取引全体が、制度的な裏づけのない信頼に依存することになると説明した。

加えて、これらのサービスは、正式に登録された正規の商人に打撃を与える不公平な事業環境を生み出すことで、国内競争に影響を及ぼしているとの見方を示した。その結果、経済活動に対する規制の組織的な回避が促されるという。

法的・監督上の枠組み

規制と保護を確保するために必要な対応について、ムハンマド氏は、仲介企業に対し、シリア中央銀行または通信・電子商取引規制当局から認可を取得するよう義務づける、明確な法的・規制上の枠組みを設けることを求めた。

また、これらの企業に対し、購入代金の送金には正規の銀行経路を利用するよう義務づけるとともに、個人の利用額に月間・年間の上限を設定することも求めた。あわせて、これらの取引に公平な関税と税金を課すことで、消費者の希望、国内生産者の保護、国庫の利益の間で均衡を図る必要があるとした。

さらに、金融活動作業部会の勧告に従い、資金洗浄を防ぐため、国境を越えるデジタル決済に対する監督の仕組みを構築することを求めた。加えて、透明性と消費者保護を確保するため、プラットフォームに対し、料金、手数料、適用する為替レートを全面的に開示するよう義務づけることも求めた。

シリア経済の現状を映す鏡

ムハンマド氏は、経済学の観点から、トルコのサイトでの購入を仲介するサービスは、シリア経済の現状を忠実に映し出す鏡だとみている。その背景には、商品不足に苦しむ市場、送金規制、世界から孤立した銀行部門、そして国家を頼らず、個人で解決策を探す消費者の存在がある。

この現象は、一見すると消費をめぐる問題への実用的な解決策を提供している。しかし、その根底では、マクロ経済の不均衡を深め、通貨主権を弱め、税・関税制度を形骸化させている。

このためムハンマド氏は、この現象への対応を治安上の措置や禁止だけにとどめるべきではないと考えている。むしろ、公共の利益を守りながら革新を可能にする法的・監督上の枠組みを構築し、デジタル決済と電子商取引の分野で本格的な改革を進める機会に転換すべきだという。

同氏は、こうした対応がなければ、既存の制度の外で生まれる解決策は拡大を続け、国民経済の損失が、当面の消費上の利益をはるかに上回る状態が続くと述べた。

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( 翻訳者:国際メディア情報センター )
( 記事ID:60129 )