「民族の名はトルコ」に批判―アタテュルク思想協会
2025年07月16日付 Cumhuriyet 紙


7月15日に向けて準備された広告看板で「民族の名はトルコ(Milletin Adı Türkiye)」という表現が使われたことに対して反発を示したアタテュルク思想協会(ADD)会長であるヒュスニュ・ボズクルト氏は、「民族の何千年もの間受け継がれてきた名は変わるものではない。トルコ共和国を築いたトルコの人々がトルコ民族(Türk Milleti)と呼ばれる。」と述べた。

民主同盟が「テロのないトルコ」と名づけたプロセスにおいて、テロ組織クルディスタン労働者党(PKK)の象徴的な武装放棄と、その後レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領の「我々の国の前に新しい時代の扉が開かれつつある」というメッセージとともに新時代への突入が指摘された。この範囲で、7月15日に向けて準備された広告看板で「民族の名はトルコ」という表現が使われた。偉大な指導者ムスタファ・ケマル・アタテュルクが1930年に執筆した「市民のための公民知識」の本で記された、「トルコ共和国を築いたトルコ国民がトルコ民族と言われる」という定義が無視された。広告看板の『民族の名はトルコ』という表現に対して批判が殺到した。アタテュルク思想協会(ADD)会長のヒュスニュ・ボズクルト氏は「トルコ民族は、広告看板や、帝国主義的なたわごとや政治的駆け引きで民族になったのではない。5000年の歴史がある。」と述べた。ボズクルト氏は「トルコ民族は紀元前3000年まで遡る歴史の遺産であり、世界初の反帝国主義的な独立戦争によって、7つの列強を屈服させ、独立を勝ち取ったという誇りを抱いている。」と述べた。

■「共和国を築いた国民がトルコ民族と呼ばれる」

他の全ての民族が「トルコ民族」という表現を使っていることを想起させたボズクルト氏は、「帝国主義の罠でもがく、能力の伴わない野心家たちが、“イギリス文学”“フランス映画”“インド音楽”などと言っていたかと思えば、今度は“トルコ文学”“トルコ映画”“トルコ音楽”などと言って、上手いことを言ったつもりだろうが、それで民族の何千年もの名前が変わるわけがない。ロシア人にロシア、フランス人にフランス、ドイツ人にドイツ、イタリア人にイタリア、日本人に日本、スペイン人にスペインと言うのか?同じようにトルコ人には“トルコ”ではなく“トルコ(Türkiye)”などと言うのか?言わないだろう。ましてや『民族の名はトルコ(Türkiye)』などというポスターを印刷してあちこちに貼って、我々の民族がそれを受け入れるとでも思っているのか?トルコ共和国を築いたトルコの人々は“トルコ民族(Türk Milleti)”と呼ばれるのだ。そのようなものは撤去してほしい!『私はトルコ人であるといえるものは何と幸せなことか!」と話した。

■「目的はトルコ人抜きの憲法だ!」

この件については、善良党(İYİ)からも反発の声が上がった。コジャエリ選出の国会議員リュトフュ・チュルクカン氏は、「彼らの目的が“トルコ人抜きの憲法”であると言っていたが、まさにそれを言おうとしていたのだ。『トルコ民族(Türk Milleti)』であって、『トルコ国民(Türkiye Milleti)』ではない。この民族の神経を逆なでするようなことはやめろ」と述べた。一方、党の会派副代表トゥルハン・チョメズ氏も、「我々の民族の名は『トルコ民族(Türk Milleti)』である。そしてそれは永遠に変わることはない。『民族の名はトルコ(Milletin Adı Türkiye)』などと言う者たちは、“民族”とは何かも、“トルコ”とは何かもわかっていない連中だ!」と強い言葉で批判した。

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( 翻訳者:橋本響 )
( 記事ID:60483 )