ネムルート山古墳のアンティオコスと鷲の頭像、アポロン彫像はナノ技術を用いてひびや破損部分が修復された。彫像は、3週間に及ぶ作業ののち完成した。
文化観光相のメフメト・ヌリ・エルソイ氏は、「ネムルート山古墳での修復作業が進められていると明かし、最初の作業によりアンティオコスと鷲の頭像、アポロン彫像が完全体になった」と述べた。同氏は、Nソーシャルアカウントで以下のように述べた。
■エルソイ氏:最新技術
「ネムルートの何千年もの遺産を、われわれの時代の最新技術をもって未来へと受け継いでいる。実施された最初の修復作業で、アンティオコスと鷲の頭像、アポロン彫像が復旧した。東西の高台でのナノ技術による修復作業のおかげで石の組織が強化され、ひびが閉ざされた。石の組織を強化させるナノ石灰とナノケイ酸塩を用いた方法は、ネムルート山で初めて永続的な形で使用され、ネムルートの石に息吹を与えた。」
この方法が2年間に及ぶ取り組みののち決定されたと述べるエルソイ氏は、「5年間のロードマップとともに進んでいるこのプロジェクトは、2つとない遺産を次世代につなぐため最も重要なステップのうちの一つである。ネムルートの頂で開始されたこの作業は、人類の歴史の無言の目撃者を、次世代に自信をもって託している。尽力したすべての仲間たちに心から感謝を表する」と語った。
■ひびを埋める
同省の声明によると、2025年7月7日から7月27日の間の3週間の集中的な作業が、東西の高台の最も重要な作品においてが行われた。
アドゥヤマン博物館局の専門家1人と6人の修復家が参加した作業では、アンティオコスと鷲の頭像と西の高台の2つの砂岩のレリーフへの大規模作業が実現した。
石灰石の作品において機械的及び生物学的洗浄の後、ナノレベルの水酸化カルシウム溶液を用いて石の構造が強化された。ひびを埋める工程は、水硬性石灰を含む整形材が使用された。
砂岩の作品では、ナノ分散エチルシリケート溶液により強化され、水が石に浸透することを防いだ。
東の高台のアポロン彫刻の頭部は、過去に別の団体によって修復されており、その後別々になっていた部分が永続的に接合された。こうしてネムルートのシンボルの1つが完成したのである。
■5年続く
ネムルート山の古墳の巨大彫像の補修計画は5年かけて進められ、同省が2022年に開始した試験的作業と2023年から2024年の点検ののち今年の夏に開始した修復作業がネムルートの未来を約束するだろう。
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( 翻訳者:今田杏佳 )
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