シリア:サウジが対ギリシャ光回線でイスラエルに代わる「シリア経由」志向を強化
2026年02月20日付 al-Watan 紙


■イスラエル経由案を外し、シリアを地域通信の要衝として再浮上させる構想が、経済・地政学の両面で注目

【ダマスカス:本紙】

複数の報道筋によると、サウジアラビアは、自国とギリシャを結ぶ光ファイバーケーブルの通過国として、イスラエルに代えてシリアを採用する意向を示している。サウジがギリシャとの接続ルートをイスラエルではなくシリア経由にしようとしていることは、地域の陣営構図に変化が生じていることをうかがわせる。

報道筋はまた、サウジ政府がシリア政府の地域的地位を高める方向で動いており、イスラエル占領体制との直接的な結びつきをできるだけ減らそうとしている点にも言及した。

ハマー大学経済学部の金融・銀行学教授アブドゥッラフマーン・ムハンマド博士は、シリアとサウジの経済関係は、現在の地域・国際情勢の変化を受けて、再編の新たな段階に入っており、すでにその動きが進行していると指摘した。

同博士は、サウジの対シリア姿勢の変化は、政治的次元にとどまらず、相互の経済的利益というより深い領域を見据えた戦略的な視野を反映していると述べた。

そのうえで、サウジがシリア領内を通ってギリシャと結ぶ光ファイバー敷設事業を望んでいるとの報道は、イスラエル経由案を迂回する構想として注目に値し、この方向性には、分析と検討に値する深い経済的・地政学的含意があると説明した。

ムハンマド博士は、光ファイバーケーブル事業の戦略的重要性について、サウジとギリシャをシリア経由で結ぶ構想は、地域のデジタル・インフラに質的転換をもたらす可能性があると述べた。その理由として、まずシリアを地域通信のハブに転換できる点を挙げ、国際通信の主要通過地としてのシリアの役割を再活性化することで、同国を世界のデジタル経済地図に戻し、デジタル通過料収入の獲得機会も生まれるとした。

この構想はイスラエル経由ルートへの依存を減らす効果も持つという。同博士はさらに、イスラエルのルートに代わる戦略的選択肢となることで、サウジは地域関係の運営においてより大きな柔軟性を持ち、経済面でも選択肢を多様化できると述べた。

さらに、サウジ・シリア・ギリシャの三者協力を強化する契機にもなるとし、この事業は三国間の経済協力に新たな地平を開き、将来的にはエネルギーや輸送分野の大型案件につながる起点になり得ると指摘した。

シリアにとっての経済的効果としては、ケーブル通過料や通行円滑化に伴う重要な財政収入が見込まれるほか、通信分野とデジタル・インフラ分野での雇用創出、技術・通信分野への外国投資の刺激、さらに損傷したシリアのインフラ再整備の促進が期待できるという。

一方、サウジ側にとっては、国際通信ルートの多様化とサイバー安全保障の強化につながり、イスラエルのインフラへの依存を抑えられる利点がある。加えて、ギリシャを玄関口として欧州との経済関係を強化できるほか、より安全性の高い通信網を通じて、デジタル転換と「ビジョン2030」の推進にも資する可能性があるとした。

同博士は、この事業が地域全体にもたらす影響として、東地中海における経済同盟の地図を書き換える可能性、アジアと欧州をつなぐ結節点としてのシリアの歴史的役割の再生、そしてイスラエル主導の計画に対抗する新たな経済的均衡の形成を挙げた。

そのうえで、サウジがイスラエル経由ではなくシリア経由を優先しようとしていることは、長期的な含意を持つ戦略的判断だと総括した。経済面だけを見ても、足元の課題はあるものの、シリアの地理的優位性と潜在力を踏まえれば、長期的にはシリア経由の方がより高い実効性を持つ可能性があるという見方を示した。

また、この構想は「経済的収益性」の概念そのものが、地政学的・戦略的要素を含む形へ変わりつつあることも示していると述べた。サウジは、シリアの経済的再統合に投資することが、地域の安定やより持続可能な経済同盟の形成という点で、イスラエルとの取引を上回る利益をもたらし得ると認識しているとの見解を示した。

さらに、この事業が成功すれば、アラブ・ガス・パイプラインや陸上輸送路の再整備といった他の大型案件を後押しする誘因にもなり、過去10年で周縁化されてきたアラブ諸国に有利な形で、地域の経済優先順位が再編される可能性があると述べた。

最後に、この構想はサウジによるシリア経済の将来への賭けであると同時に、アラブ諸国の共通利益こそが地域経済協力の最良の枠組みであり続けるというメッセージでもあると指摘した。その一方で、成功の可否は、関係当事者が安定、法制度基盤、国際的パートナーシップといった条件をどこまで整えられるかにかかっていると説明した。

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( 翻訳者:国際メディア情報センター )
( 記事ID:61700 )