世界各地の米同盟国がトランプ氏によるイラン介入要求を警戒
2026年07月31日付 al-Quds al-Arabi 紙


■ポリティコ:世界各地の米同盟国がトランプ氏によるイラン介入要求を警戒し、戦争の終結を待っている

【ロンドン:本紙】

米ニュースサイト「ポリティコ」は、フェリム・カイン、ジャック・デッチ、ポール・マクリアリーの各氏による記事を掲載し、米国とイランの戦争がさらに拡大することが、世界各地の米同盟国に不安をもたらし、米国への支援をためらわせていると報じた。

同サイトによると、トランプ政権は、急速に激化し、制御不能になりつつある紛争を終わらせるため、同盟国に支援の必要性を訴えている。しかし、同盟国側は、イランとの戦争が終わるまで静観する姿勢を維持することに異存がないようだという。

ここ数日、イランはヨルダン、エジプト、クウェートを攻撃し、イエメンでは、イランの支援を受けるフーシー派がサウジアラビアに向けてミサイルを発射した。

米国はこれに対し、イラン国内の革命防衛隊に関連する数十の標的を攻撃した。この応酬は市場の懸念を高め、石油・ガス輸出を大幅に減少させ、世界経済を脅かしかねない広域的な地域戦争への拡大を危惧させている。

ポリティコは、欧州やアジアの外交官らの発言として、米国とイランが停戦に合意しない限り、各国は自国民の安全を危険にさらす用意はないと伝えた。

こうした姿勢は、戦争がこの段階に至るなかで、多くの米同盟国が受けている影響を示している。米国は、戦争を抑え込むための選択肢も、石油輸送のためにホルムズ海峡を再開通させるための選択肢も、尽くしてしまったようにみえる。

このため、各国は紛争に巻き込まれることを避けようとしている。ただし、介入を迫られた場合には、自国の条件に基づいて応じる姿勢である。

同サイトは、アジアの外交官の発言として、「湾岸での共同作戦が可能かどうかについて、米国からいつ要請が来てもおかしくないと考えている」と伝えた。匿名を希望した同外交官は、石油・ガス価格をめぐる状況の悪化が、こうした米国の要請への対応に影響すると付け加えた。

しかし、軍の部隊であれ民間要員であれ、この地域に派遣するには、「休戦と、ホルムズ海峡における航行の自由の確認」が必要となる。フランスと英国が先月結成した国際連合体も、こうした措置を取る条件として、米国とイランの間で確実な休戦が成立することを挙げている。ワシントンに駐在する欧州の外交官は、こうした条件のもとでは、「関与をさらに深める決定がなされれば驚く」と述べた。

一方、より具体的な要求を掲げる国もある。

東欧のある当局者は、「当然ながら自国の能力を踏まえつつ、米国が要請するホルムズ海峡でのあらゆる作戦に、何らかの形で参加するための広範な権限を、議会で承認した」と述べた。ただし、この支援には米国が支払うべき対価があるとし、「バルト諸国への米軍の増派を求めている。大隊ではなく旅団が望ましい。少なくとも、大隊の数を増やし、より継続的に駐留させてほしい」と付け加えた。

ウクライナは、米国と湾岸諸国に対する無人機迎撃機の供与の申し出は引き続き有効であり、とりわけ、その見返りに武器を得られる場合には応じる考えだとしている。

ウクライナの当局者は、「我々を支援する国を支援する用意がある。ウクライナには豊富な経験と先端技術があり、対無人機システムを構築する知見もある。米国と中東のパートナー諸国はいずれも、ウクライナとの協力に関心を示しており、その関心は相互のものだ」と述べた。

ホワイトハウスは、中東で激化する紛争を抑え込もうとする米国への支援を、同盟国が強化しているかどうかについてはコメントしなかった。声明で、「近隣諸国に対するテロ行為に、イランの無謀さが極めて明確に表れている。それによって、イランはかつてないほど孤立している」と述べるにとどめた。

ポリティコは、この戦争が、トランプ政権の攻撃的な外交・通商政策の影響に今なお苦しむ、米国のかつての同盟国やパートナー諸国の間の亀裂を深めていると指摘した。こうした政策には、高関税の導入、グリーンランドへの侵攻を示唆する威嚇、カナダを米国の51番目の州にしようとする姿勢が含まれる。

同サイトによると、欧州の同盟国が特に支援に意欲を示しているのは、ホルムズ海峡での機雷除去と安全確保への支援である。ただし、英国やフランスなどは、米国とイランの間で実効的な停戦が成立するまで軍艦を派遣しないと、米国側に伝えている。

その他の国々は、戦争にうんざりし、米国からの武器売却がさらに遅れることを懸念しながらも、トランプ氏の怒りを買わないよう沈黙を保とうとしている。

フィンランド外務省の元当局者であるヨエル・リンナンマキ氏は、「欧州で広がっているのは、終わりのない戦争の連鎖に対する疲労感だ。停戦するたびに、必ずどちらかが再び事態を激化させる」と述べた。さらに、「現段階では、欧州の指導者たちはトランプ氏の注意を引かず、何らかの形で介入するよう欧州に新たな要求が突きつけられることを避けようと努めている」と付け加えた。

米国に近い立場とみられること自体を避けようとする国もある。アジアのある外交官は、「紛争を通じてイランとの関係を維持し、石油供給の継続を確保してきた東南アジア諸国は、米国の軍事作戦に加担していると受け取られかねない措置には参加したがらないだろう」と述べた。イランはマレーシア、タイの両国と、紛争がそれぞれの経済に及ぼす影響を軽減するため、石油輸送船の海峡通過を認める協定について交渉した。

航路閉鎖の危険に対処するため、同盟国が参加している取り組みは、米国の取り組みとは独立している。

フランスと英国は5月、停戦後に海峡を通る船舶の安全な航行を確保する多国籍軍事任務への参加に向け、約40か国を結集した。英国、ドイツ、イタリアなど、同任務の参加国の軍艦は、敵対行為の終結を待ちながらアラビア海に停泊している。また、サウジアラビア外務省の声明によると、同国は木曜日、パキスタン、トルコ、ジブチなど、イスラーム教徒が多数を占める14か国からなる「多国籍海上防衛連合」の結成を発表した。

この連合はサウジアラビアの主導のもと、世界貿易への脅威に対処し、紅海、アデン湾、バーブ・マンデブ海峡の国際航路を保護するため、各国の取り組みを統合する。声明は、ほかにも数十か国が会合に出席してこの構想への支持を表明しており、これらの国々にも引き続き参加の道が開かれていると付け加えた。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:木戸瑞己 )
( 記事ID:62836 )