オウズくん、法務大臣の特別許可で勾留中のお父さんと抱擁

2008年06月11日付 Zaman 紙
7歳のオウズ・ビルジャン君はベシクタシュにあるイスタンブル裁判所で拘留を命じられた父親のムスタファ・ゲゼル容疑者に触れ、キスすることを望んだが、認められず涙を流して周囲の人々の心を動かした。オウズ君と彼の兄弟の、父親に会いたいという切なる思いが、エディルネで実現した。

メフメト・アリ・シャヒーン法相の特別許可で、ゲゼル容疑者の宗教婚上の妻ギュライ・ビルジャンさん、息子のオウズ君、アブドゥッラー君、アフメト君、娘のファトマ・ビルジャンちゃんは、エディルネのF級刑務所に赴き、「犯罪組織の名を用い脅迫した」罪で拘留中のムスタファ・ゲゼル容疑者を訪問した。

家族面会は刑務所図書館で行われた。父親だと分かったオウズ・ビルジャン君は、駆け足でゲゼル容疑者の首に抱きついた。再会と同時に、父親のゲゼル容疑者と息子のオウズ・ビルジャン君は涙に咽いだ。ゲゼル容疑者は、その後で他の子供たちも抱擁し、切なる思いを果たした。

エディルネの共和国検事長であるイブラヒム・エトヘム・ディキメン氏は、ムスタファ・ゲゼル容疑者に息子のオウズ君が口付けできなかったことは、トルコ全土の心を動かしたと述べた。ディキメン氏は、オウズ君が父親に面会できなかった理由を現行法が阻んだのだと公表し、「今日6月11日に我々はオウズ君の希望を叶えております。私の25年間の職業人生で最高に幸せな日です」と述べた。ディキメン検事長は、オウズ君の父親と母親に公式の婚礼をとり行う予定だと述べた。

拘留中のムスタファ・ゲゼル容疑者は、メフメト・アリ・シャヒーン法相と刑務所関係者にこの面会を実現してくれたことに対し感謝を述べた。オウズ・ビルジャン君は「昨日(9日)お父さんにとてもキスしたくなったんだ。キスできないととても悲しくなったよ。今、とても嬉しいよ」と述べた。式典に様変わりした面会では、トラキア大学の国立音楽学校の学生たちによるバイオリン演奏が行われる中、家族はウェディングケーキに入刀した。ディキメン検事長は、オウズ・ビルジャン君にトルコ代表チームのユニフォームと同じ色のユニフォームとサッカーボールをプレゼントした。報道陣の撮影を受けた後、マスコミに非公開で家族は水入らずで過ごした。

■ オウズ君一家は一部屋の住宅で生活している

ベシクタシュのイスタンブル裁判所で7歳のオウズ・ビルジャン君が22ヶ月間会っていない父親にキスすることを要求したとき、人々は彼の存在を知った。オウズ君が護衛に対して行った戦いと、彼の数々の涙を通じて知ったのだ。オウズ君は、彼の母親と父親が公式の婚姻関係でなく、彼が父親の姓を名乗っていないために父親との面会を許可されなかった。

ウスキュダルのコシュヨル在住のオウズ・ベルジャン君は、地下の一部屋しかない家で母親のギュライさん、兄のイブラヒム君(12歳)とアブドゥッラー君、姉のファトマちゃん(10歳)と2歳半の弟アフメト・ビルジャン君と一緒に生活している。収入がなく、450YTL(約38、800円)の家賃を払うビルジャン家は、親戚の援助で何とか生計を立てている。

6月9日に父親に抱きつくため涙を流したオウズ君は、その時の出来事を次のように語っている:「お父さんが囚人護送車から降りて裁判所に入る時、小母さんが、行ってお父さんにキスするように言ったんだ。警官と軍警察の間からから走っていってお父さんにたどり着いて、抱きついたんだ。お父さんにキスする前に警官と軍警察にすぐに引き止められちゃったんだけどね。」


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翻訳者:藤井庸平
記事ID:14047