ドイツで内容が基準以下という理由で、「ドネル」という呼称の使用禁止
2009年01月15日付 Hurriyet 紙
ドイツ、フィアセン郡で自治体の獣医学局は、ドネルケバブ店に送付した文書の中で、調理方法と内容物が基準を満たしていないという理由でドネルという呼称の使用を禁じた。
ドネルケバブ店には、軽食店やレストランで商品価格を掲載する価格表に、「ドネル」の代わりに「ドネル・シシ」(串刺しドネル)と記載することが求められた。
トルコ人ドネルケバブ店は、この事態に反発を示している。
ドイツ、フィアセン郡役所は、当該地域にあるトルコ式ドネルケバブ店に書面を送付し、メニューが掲載されている価格表の「ドネル」という表現を改め、その代わりに「ドネルシシ」(串刺しドネル)と記載するよう求めた。
フィアセン郡のオランダ国境に近いシュヴァルムタル・ワルドニールにある、ヤスミン・ドネル店の店主、アダナ出身のユクセル・ドゥルさん(44歳)は、16年間、ドネル店を経営していると言い、自治体による今回の禁止に意味を見いだせないと話した。
ユクセル・ドゥルさんは、「郡は40年の歴史をもつドネルを、「シシ」(串刺し)として販売するよう求めています。ドネルと記載した店には、罰金500ユーロが科されます」と語った。
■納得できない
ドゥルさんは、自治体の獣医学局から送られた文書を読んで、まるで頭が殴られたかのようだと話し、次のように続けた。
「文書には、店内カウンターの上にある価格表に記載されている『ドネル』という文字を直ちに消し、その代わりに『串焼き肉のハンバーガー』と書くことが求められました。私は2つの店をもっています。一つの店舗では価格表を取り替え、ドネルという表示をやめました。しかし心が痛むのです。それはドネルが我々にとって価値のあるものだからです。これの名称はドネルなのです。この名を変えさせる権利は誰ももつべきではないのです。何の理由でもってこの変更をするのでしょうか」
ドゥルさんは、工場から来たドネルケバブを見せながら、「これらには表面にドネルと書かれていますから、我々も同じように売っているのです。もし要求するのであれば、メニューに内容物について掲載しようと思います。でもドネルという単語を消すことには違和感があるのです」と話した。
■「串」の代わりに「タッシェ」
ドゥルさんは、「串」という単語も使いたくないと述べ、そのため興味深い方法を編み出した。2つ目のトルコ式ドネル店での価格表には、ドネルの代わりに、サンドイッチという意味もある「タッシェ」という表現を使った。例えば価格表にある4分の1の大きさのドネルサンドには、「お子様用タッシェ」、2分の1のドネルサンドには「普通のタッシェ」とし、ドネル・プレートの名称もヤセミン・プレートに変えた。
■「売られているのはドネルではない」
この件に関してフィアセン郡当局筋は、禁止の必要性を次のように説明した。
「我々は人々の健康と権利を第一に考えています。今回の禁止も健康という視点から行われています。我々の手元にある定義によると、ドネルとは香辛料は使われず、一定の割合で挽肉と肉が含まれる食べ物です。しかし中に入れられるべきでないものが入っており、そのためドネルとして販売されているこれらの商品はこの決まりに従っていないのです。そのためドネルとして販売することを許可しません。これに『串焼き肉』ということは可能です。しかしドネルとは呼べないのです」
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翻訳者:三村麻衣
記事ID:15577