イスタンブル・アンカラ寝台列車、乗客の83%は日本人

2009年04月25日付 Zaman 紙
アンカラ―イスタンブル間を行き来する寝台特急アンカラ・エクスプレスの昨年の旅客数の83%は日本人だった。日本人は休暇で訪れてトルコで、日本ではすでに廃止されてしまった寝台特急に乗り旅情を満喫しているという。

アナトリア通信の記者が得た情報によれば、寝台特急アンカラ・エクスプレスは昨年(2008年)アンカラとハイダルパシャ駅間で7万7千760人の乗客を運んだ。そのうち日本人旅行者は6万4千163人で乗客総数の83%に上った。

寝台特急での旅は自分達にとって非常にノスタルジックなものだと述べる日本人旅行者のナカ・キクコさん(58)。昔は日本でも寝台列車が大変多く運行されており、当時はいつも寝台列車での観光を楽しんだものだと話した。ナカさんはまた次のように述べた。

「最近は日本では新幹線がほとんどです。新幹線では景色があまり見られないし、体を休めることも出来ません。だからトルコに来たら寝台列車で観光したいと思っていました。日本では飛行機やバスはあるけれど寝台列車はもうありません。寝台列車は私たちにとって大変素敵な思い出になります。日本の寝台列車はトルコのもののように2段ベッドではなくて、3段ベッドでした。日本人はよりぜいたくにとこの寝台列車を廃止しました。このような2段の寝台も良いものです」

またナカ・カツヒコさん(60)はこんな風に感じている。「これは僕たちをものすごく幸福感に浸らせてくれる旅です。アガサ・クリスティの『オリエント急行』を読んだことがあります。この列車に乗ると僕たちを物語の中にいるような気にさせてくれます」と語った。
ヒグチ・ジュンコさん(64)は寝台列車での旅を選んだ理由として「トルコを訪れたのはこれで2度目です。初めて来たときは寝台列車には乗りませんでした。2度目の旅で絶対に叶えたかった望みがこの列車に乗ることだったんです。日本では寝台列車はもう走っていません。だからこの列車での旅は私たちにとって大変ノスタルジックなものなのです」と述べた。

■「アンカラ・エクスプレス乗客85パーセントは外国人」
アンカラ駅のハサン・ドアン副駅長は寝台特急アンカラ・エクスプレスを利用してイスタンブルを訪れた日本人旅行者の一人に花束を贈呈。彼は昨年の寝台列車の旅客数6万7千541人の外国人旅行者のうち95パーセントは日本人だったと話した。アンカラ・エクスプレスを利用した昨年の旅客数は7万7千760人で、利用者の83%は日本人だったと説明するドアン副駅長は「日本人がTCDD(トルコ国鉄)を好んで利用する最も大きな理由は我々の提供するサービスと笑顔、それに発想です。日本で失われてしまったノスタルジーを寝台列車のアンカラ・エクスプレスで味わっているのでしょう」と述べた。

ドラック・ツアーのアフメト・カプラン・タン氏は、トルコを訪れる日本人観光客はアンカラ―イスタンブル間の行程に特に寝台列車の利用を望んでいるようだと述べた。また「日本人旅行者は寝台列車での旅をとてもに好むんだ。寝台列車はどこの車両も90%を日本人が占めているよ」と続けた。

■寝台車の定員数は200人
毎晩22時30分にアンカラとハイダルパシャ駅を出発、往復しているアンカラ・エクスプレスは、567kmを9時間30分で運行している。二人用のコンパートメントが10部屋ずつ配置されている寝台車が全部で10車両あり、一度に輸送できる定員は200人。また車両の1台は食堂車となっている。

各コンパートメントでは乗客が自由に調節できる空調システムと、ミニバー、洗面所が備え付けられ、ミニバーに用意されたチョコレートやジュース、ミネラルウォーターは運賃に含まれている。また、各コンパートメントへの飲み物のワゴンサービスもある。ベッドは座って使用する際にはソファに変型する。


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翻訳者:原田星来
記事ID:16294